2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24650084
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
有木 康雄 神戸大学, 都市安全研究センター, 教授 (10135519)
|
Keywords | 画像情報処理 / イベント検出 / イベント認識 / HMM / 言語表現 |
Research Abstract |
現在見ている状況を、人が伝達するという行為には、その状況を理解し、言語化して発声するというプロセスが含まれている。このような情報伝達のメカニズムをコンピュータで行うには、(A)現実に起こっている状況を視覚的に理解する、(B)理解した状況を言語化して音声で表現するといった処理が中心となる。さらに、(C)状況の原因や今後の予測を解説として言語化し、(D)理解した状況を図や映像として再表現する、といった機能が必要となる。また、コンピュータが状況を理解できるためには、(E)状況分析の方法を実例から自動学習するといった機能も必要である。 平成25年度は、(E)状況分析の学習と、(B)状況の言語表現について研究を行った。 (E)状況分析の学習では、「ゴール」や「コーナーキック」といった試合のイベントに関する用語をリストアップし、この用語が用いられている映像を多数収集した。これを基に、イベントが発生した時点を、ホイッスルの存在とボールがラインを割ったかどうかの判定により検出する方法を提案し、適合率94.9、再現率 96.1を得た。 (B)状況の言語表現については、「ゴールキック」、「コーナーキック」、「フリーキック」、「スローイン」といったイベントをHMMで学習して認識を行い、言語出力する方法を提案した。この結果、「ゴールキック」、「コーナーキック」、「フリーキック」、「スローイン」それぞれを、81.6%、72.0%、80.9%、82.5%の精度で認識することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に研究を行ったボール追跡の方法を基に、ボールがラインを割ったかどうかを判定する処理と、ホイッスルの音響信号をMFCC(Mel-frequency Cepstrum Coefficient)で分析し、HMMによりその存在を判定する処理を実装し、イベントの検出率を適合率94.9、再現率 96.1で達成している。 また、昨年度に研究を行なった選手の検出を基に、16ブロックに分割されたコートの各ブロックにおいて、選手が存在している割合を計算し、これをフレームの特徴としてHMMで学習した。その結果、「ゴールキック」、「コーナーキック」、「フリーキック」、「スローイン」のイベントを、それぞれ81.6%、72.0%、80.9%、82.5%という高い精度で認識した。イベント認識のおいては、これまで1台のカメラでハーフコートを撮影していたが、今回、4台のカメラを用いてフルコートを撮影して、イベント認識を行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
イベント認識の精度向上、およびイベントの種類を増やしていく予定である。また、現在、サッカーの試合は1試合を対象としているが、多くの試合の映像を収集し、イベント検出とイベント認識を行う予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品の購入が予定より少なかったため、残金が生じた。 研究遂行のための物品の購入、および情報収集・研究発表のための旅費として使用する計画である。
|