2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24650089
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
三好 扶 岩手大学, 工学部, 准教授 (10392193)
|
Keywords | 羽ばたき機構 / 操縦筋モデル / 方向転換トルク生成 |
Research Abstract |
本研究は、来るべき宇宙環境利用・惑星長期滞在に向け、微小重力空間内における飛行機能を有する飛翔昆虫モデル型のロボット開発を最終目標とする。飛翔昆虫はラダー(尾翼)無しでの方向転換機能を実現するが未だこのメカニズムは不明であり、これを解明するために“両翅の羽ばたき翼振幅量を制御することで、左右翅の揚力・推力の差分から方向転換を実現する”と仮説をたてている。 本年度は、上記仮説を検証するため、前年度に製作した操縦筋モデルを搭載した実機による「左右翅振幅量を変化した際の機体ロール・ヨートルクの計測」ならびに「左右翅振幅量変化による翅周り渦生成状況のPIV計測」をそれぞれ実施した。羽ばたき周波数、翅形状(アスペクト比)、および操縦筋角度をそれぞれ従属変数とした際の機体回転トルクおよび渦生成状況を計測した結果、以下のことが得られた;1.機体回転トルクは羽ばたき周波数や翅のアスペクト比の影響よりも、むしろ操縦筋角度変化による羽ばたき振幅量変化に応じた回転トルクの増減が認められる、2.2枚翅による羽ばたきでは、機体ロールトルク変化とともにヨートルク変化も認められ、これらを独立的に制御することは困難であること、3.渦生成過程は、先行研究で報告されている馬蹄渦の発生、前縁渦の形成、後縁渦の剥離、および随伴渦の形成が確認され、操縦筋角度変化によって特に前縁渦の形成、後縁渦の剥離量が大きくなることが確認された。以上から、本研究による操縦筋モデルは、4枚翅であれば機体回転トルクをロール、ヨー方向それぞれに制御可能であることが示唆された。一方、2枚翅による羽ばたきでは機体回転トルクが独立して制御することが困難であることから、ハエ等が2枚翅で飛行・方向転換する手法を新たに確立する必要がある。これらの成果は、ISABMEC2014にて発表するとともに、現在論文投稿中である。
|
Research Products
(2 results)