2014 Fiscal Year Annual Research Report
バイオフォトカプラを用いた昆虫―機械ハイブリッド匂い源探索システムの開発
Project/Area Number |
24650090
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安藤 規泰 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (70436591)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 昆虫 / 匂い源探索 / 嗅覚 / 光遺伝学 / ロボット / チャネルロドプシン2 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの研究成果を踏まえ,匂い源探索システムの完成を目指してシステムを構成する各要素の開発を行った.行動計測部は,直径60 mmに小型化した球状トレッドミルを用い,光刺激に対して匂い源探索を行うChR2カイコガを固定するための小型マニピュレータと一体化したモジュール構造とし,操作を容易にした.光刺激装置は,光源とカイコガ触角へ導光する光ファイバーとの接続部位の加工精度を高め,開口部で470 nm, 130 mW以上の光強度を確保した.カイコガの固定は,確実に触角に光刺激を与えつつ,歩行運動を阻害することを防ぐために,胸部を弾性体で接続し上下運動を確保する一方で,頭部を固定具の主柱で固定し,左右の触角も刺激位置で固定することで,頭部や触角の運動により光刺激が安定しない問題を解消した.移動ロボットはコントローラをArduino,通信にはZigbee経由のシリアル通信を用い,60 Hzの制御周波数でカイコガの運動をカバーする旋回角速度94.3 deg/s, 前進速度48.4 mm/sを確保した.ロボット下部に匂いを取り込むための流路と交換可能なモジュール構造としたガスセンサ基板を組み込み,幅広いセンサに対応可能とした.光刺激による温度上昇は逃避行動を引き起こすため,光刺激と温度上昇の検討を行い,刺激頻度5 Hz,デューティー比25%の光刺激で5℃以内の温度上昇にとどまることを確認し,これを刺激方法として採用した.匂い源探索実験には,80%のエタノールを匂い源として風洞中に流し,ロボットに搭載したガスセンサの情報により,ChR2カイコガに仮想的な匂い環境を光刺激で与え,匂い源へ到達することを確認した.また,センサを光センサに交換することで,光源への定位にも成功し,特性の異なるセンサを用いた実験が可能であることを証明した.
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