2013 Fiscal Year Annual Research Report
言語の創造性を利用して運動の多様性を生み出すロボットの知能
Project/Area Number |
24650091
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高野 渉 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 講師 (30512090)
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Keywords | 運動と言語 / 行動理解 / 全身運動生成 |
Research Abstract |
言語は有限の語彙を組み合わせて無限の意味表現を生み出す機能と,無限の意味を文法という規則を通じて効果的に伝達する機能を兼ね備えた記号システムである.本研究課題では,この言語が持つ特徴を生かして,多様の運動を言語として理解し,言語から多様な運動を創造するロボットの知能情報処理を構築することを目的とする. これを実現するために,平成25年度では,身体の内部状態を推定しながら動きを分類する方法と各分類に含まれる運動データから特徴的な動きを抽出する技術を開発した. 身体の内部状態は,光学式モーションキャプチャにて計測できる身体の表面的な動きと身体に働く外力や筋肉の活動に伴う筋電位計測から推定される筋張力時系列データとして表現される.この時系列データを統計モデルによって学習することで運動を分類する.平成24年度に開発した表面的な体の動きの分類構造と言語表現の関係性を表す数理モデルを身体内部状態へ拡張することで,ロボットが人間の動きを観察し,動きに伴う深部体性感覚までも推定しながら,その行動を言葉として理解することが可能になった. これまでの全身運動を表現する時系列データは高次元であり,各運動を分類するためにその全ての情報が必要な訳ではない.分類された身体運動の高次元データに対して,各次元間の相関を計算することによって,分類毎に特徴的な体の動きを抽出する技術を開発した.人間の全身運動を表す多次元時系列データからその運動を表すのに重要な次元を見つけることに相当する.平成24年に開発した1つの文章から全身運動を生成する技術を活用して,文章から対応する複数の運動を見つけ出し,その運動を代表する動きを重ね合わせることによって,多様なロボットの動きを作成することが可能になった.例えば「手を挙げる」と「歩く」を代表する特徴量を活用して,「歩きながら手を挙げる」動きを作成できることを示した.
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