2013 Fiscal Year Annual Research Report
発達原理解明のための柔軟な皮膚に覆われた胎児ロボットと子宮環境の開発と検証
Project/Area Number |
24650095
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森 裕紀 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80610849)
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Keywords | 胎児 / 早産児 / ロボット / 発達ケア / 子宮内環境 |
Research Abstract |
発達ケアにおける感覚モニタリングと発達原理モデル検証のために胎児・早産児ロボットを開発した。ロボットの仕様は受胎後35週齢をターゲットとして体重2.5kg、身長46 cmとした。形状は実際の胎児を参考にしてCADで設計し、3Dプリンタにより造形した。関節の自由度は腕(肩3×2、肘1×2)、脚(股関節3×2、膝×2、足首1×2)体幹・首(3×4)とした。背骨はボールジョイントにより実現したが、コネックス社製3Dプリンタにより精密に造形する事により、より人間に近い機構が実現した。また、肩関節は肩甲骨の挙上動作と自由な回転を実現するため図3のような二段階の関節構造を設計した。 ロボットの全身駆動を目的とする体重の範囲内で実現するため、軽量で十分な力を出力できるスキューズ社製の小型マッキベン型人工筋とコイルバネにの拮抗駆動により全身を動作する。また、水中での動作を確認し、羊水環境でも動作できる事を示した。空気圧を発生するコンプレッサ、電源、制御装置は外部に設置した。そのため、へその緒の様な形で空気圧チューブ、電源ケーブル、信号ケーブルを束ねて実装した。人工筋への空気を制御する小型電磁弁には外部から信号を送る事で開閉を制御した。胸部に小型の空気圧電磁弁を収納する事で外部からのケーブルを空気1本と電源ケーブル、信号ケーブルにまとめる事ができ、動きを損なわないへその緒のような形態として実現する事ができた。触覚センサとしてタカノ社製のElectric Impedance Tomography方式の触覚センサを選定した。 本研究では35週齢と同等の身体形状を持ち全身動作を可能とするロボットの開発を行った。今後はこのロボットにより胎児や早産児の環境での感覚経験を計測するとともに、胎児神経系モデルを実装し胎児・早産児発達のモデル検討も行いたい。
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