2013 Fiscal Year Annual Research Report
代数エージェントにボードゲームをさせたい~感性に訴える代数系の可視化~
Project/Area Number |
24650099
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村井 哲也 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (90201805)
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Keywords | 感性工学 / 代数エージェント / エージェント制御 / 2項関係 / 位相空間 / 近傍系 |
Research Abstract |
本年度は前年度の結果を踏まえて,シミュレーションの場,すなわち,ゲーム環境を拡張した実験を大きく2つ実施し,考察をした. 具体的には,まず,各代数エージェントを平面状に展開し近傍を持たせ,敵チームのエージェントが近傍内に進入した際に,それを排除する方向へ移動する場合と,逆にそれを追跡する方向に移動する場合を設定し,3通りの組み合わせについて,実験を行った.その結果,組み合わせに応じて,盤面全体の印象が異なることがわかった.互いに追跡しあうエージェントはいち早く盤面から退場し,互いに排除しあうエージェントはなんとか生き残るのは予想できたが,それらの組み合わせの比率に応じて,感性的に「すっきり感」ー「うっとうしい感」のグラデーションを表現できることを確認した. 次に,エージェント間の対称性と推移性の局所的な成立/非成立に着目し,その状態の維持や反転に関するルール(対称性がある場合は,次の時点でもできるだけ対象性が維持されるように近傍を変化させて移動する,など)を設定し,それらの組み合わせによって,敵の追跡(非対称性の維持から対象性の維持へのストラテジ変更)や見方同士の連携プレーによる敵の包囲(非推移的関係で動きつつ,いずれかのエージェントが敵を射程に収めると見方同士が推移的を持つように移動のストラテジを変更)する状況など,近傍を介したエージェント間の関係の局所的性質に基づいて,エージェントのいくつかの行動様式を実現できることが分かり,感性的な振る舞いを実現できた.
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Research Products
(2 results)