2013 Fiscal Year Annual Research Report
脳型リズムベース回路を用いたウェアラブルデバイスの適応的自律支援
Project/Area Number |
24650107
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
我妻 広明 九州工業大学, 生命体工学研究科(研究院), 准教授 (60392180)
|
Keywords | Brain-IS技術 / 分類・記憶・判断 / ブレイン・マシン・インタフェース / 定常状態視覚誘発電位 / 図地分離 / アフォーダンス / 情動誘起による選択方向付け / 脳波EEG-視線追尾EOG |
Research Abstract |
本課題では,脳型技術を活用して人の脳が円滑に処理できる情報の量とタイミングを推定し,ユーザの状況に合わせて分類・記憶・判断の一部を代替して行うデバイスの基礎技術の構築を目指した.初年度は脳波実計測と連動させるためのリズムベース回路の設計を行い,次年度は,外部環境からの情報取得と身体・脳情報の同時把握を行い,その技術的問題点の洗い出しと解決方法,また本技術によって「人」を理解した機械にはどのような応用が可能かを探求した.本課題では第一に,脳波による脳活動状態推定の推定としては,ブレイン・マシン・インタフェース(BMI)の一手法で,定常状態視覚誘発電位(SSVEP)を用いた.これはフリッカー視覚刺激など一定の周波数で変化する刺激を与え,大脳皮質視覚野に特定の周波数帯域の集団電位を誘発させるもので,脳内の複雑な経路を経ながらも刺激-反応の因果関係を比較的容易に推定可能にする.本課題ではこの刺激提示を一般家庭用PC(Windows OS)で稼動するソフトウェア開発に成功し,SSVEPを再現させた.これは,脳活動変化のタイミングを推定することに貢献する.第二に,自然画像における視覚刺激に対する視線追尾反応について解析を行い,人工図形と自然画像の場合で,図地分離,アフォーダンス,情動誘起による選択方向付けの傾向が異なることを明らかにした.これにより,高齢者うつ・認知症ケアのための園芸療法への応用に本技術が貢献することが示唆された.本成果を萌芽として今後の展望としては,個々の成果を統合した技術として完成させ,判断の一部を代替して行う脳型デバイス構築することであった.解決すべき課題として,脳波EEG-視線追尾EOG混在の生体計測データから両者を分離する必要性が明らかになり,Morphological Component Analysis (MCA)によって解決する足がかりを得た.
|