2012 Fiscal Year Research-status Report
自然エネルギーを利用するテザー係留型飛行ロボットによる発電・観測システムの開発
Project/Area Number |
24650118
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
高橋 泰岳 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90324798)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
具体的内容:平成24年度はテザー飛行ロボットおよびその設備の設計と制作を行った.今回開発した飛行ユニットは,翼長約 3m,センサ群として地上カメラ,風力計,GPS,電子コンパス等を搭載し,小型携帯無線端末を用いて地上へセンサ情報を逐次送信を行うものである.地上では飛行ユニットのセンサ情報を受信しつつ,風力減速による機体落下を防ぐために牽引装置を適切に制御する.制御は人の凧揚げの動作を模倣し,飛行ユニットに搭載された風力計ではかった風速が小さければ牽引し,風速が大きければ糸を緩めるという直感的な手法を用いた.これらの内容については日本ロボット学会第30回記念学術講演会にて「テザー係留型飛行ロボットの自律飛行制御」という講演題目で発表している.当初設計・作成した風速計が低風速時に適切な出力を行わない,また一定方向の風速しか測れないことが判明したため,低風速時でも適切な出力を行え,かつ複数の方向の風速を計測できる風速計を再度設計し作成した.現在,改良したロボットの内容でIEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systemsに投稿中である. 意義・重要性:従来からテザーを用いない浮揚移動体によるモニタリングシステムは多く提案されてきたが,それらはそれぞれ一長一短があった.今回開発したテザー係留型飛行ロボットは,モニタリングシステムとして斬新な飛行ロボットの形態を提案し,従来システムの欠点を補完するものになっており,特に長時間駆動可能で,環境にほとんど影響を及ぼさない定点観測システムとして期待されている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
地上ユニットのロータが想定よりも非力であることが判明し,適切な風速範囲内でないと飛行を継続することが難しいことがわかった.また申請書には機械学習等を用いた停留飛行学習制御装置を開発する予定であったが,現時点ではより単純な学習を用いない制御にとどまっている.これらを解決するのが今後の課題である.また,無線によるデータ通信を行っているが,屋外での通信が不安定であることがわかった.平成25年度に行う予定であったロボット群中での衝突・テザー混線回避行動設計を行うシミュレータを開発するための十分なデータが得られていない.
|
Strategy for Future Research Activity |
予定よりも大きなカイトを採用し,より強力な牽引装置を開発し,常時データを収集できる環境を整え,上記の問題を解決していく.既に牽引装置を共同開発していただく企業の方と打ち合わせを行っている.無線によるデータ通信を行っているが,屋外での通信が不安定であることがわかったため,現在,有線による通信を行うシステムに改造を行っている. 十分に安定してデータを取得する環境を整え,計画書通りに様々な風速状況で実験し,シミュレータを作るのに十分なデータを集積し,ロボット群を同時に制御する環境をシミュレータとするシミュレータを作成していく.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
地上ユニットの牽引装置制御装置を企業と共同で設計・作成する.その予算を計上する.さらに飛行ユニットの機能強化するためにカイトの大型化,無線ユニットを有線ユニットへ変更,それに伴う各種センサの再設計および政策を行う. これまで煮えられた研究成果を報告するために国際会議と国内講演会に出席する.
|
Research Products
(1 results)