2013 Fiscal Year Research-status Report
自然エネルギーを利用するテザー係留型飛行ロボットによる発電・観測システムの開発
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24650118
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
高橋 泰岳 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90324798)
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Keywords | 係留型飛行ロボット / カイト |
Research Abstract |
自然エネルギーを有効利用し,建設コストが小さい情報収集発信システムとして,カイトに2自由度風速計,GPS,加速度・ジャイロ,無線通信装置を取り付けた飛行ユニットと,これを牽引するテザー,テザーを制御するウィンチ機構と飛行制御装置を持つ地上ユニットとで構成される自律テザーー係留型飛行ロボットのプロトタイプを構築し,実ロボットで実験を行った. 上空での安定した停留飛行を実現するために地上ユニットの自律飛行制御器を複数開発した.その一つは,ヒトによる凧揚げの要領を模倣し,ファジィ制御による制御手法を開発し,これも実ロボットの実験を通して,その有効性を確かめた. 多くの実験により,風速,高度,高度変化と制御入力の関係のデータを得ることができた.実ロボットでの実地実験では常に理想的な環境ではないため,例えば降雨,降雪,雷雲,強風,無風等で実験が難しい場合も多い.そのため,提案するカイト型のテザー係留型飛行ロボットをモデル化し,モデルのパラメータをこれまで収集してきた実験データにより推定し,コンピュータシミュレーション上で実ロボットの挙動を模擬するシミュレータを開発した.実環境の風速をリアルタイムで計測できないため,シミュレーションデータと実機データを完全に一致させることはできないが,シミュレータ上で制御器を設計できる程度に十分に挙動を模擬することがわかった. これまで開発してきた飛行ロボットのカイトが小さく,かつ地上ユニットの牽引力も小さかったため,飛行ユニットに搭載する計測装置の重さが限られていた.従って,これを大型化する必要が出てきたため現在452x210cmのカイトを使い,より大きな牽引力のあるウインチ装置をある企業と合同で自作し,その試験を繰り返している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は複数のテザー係留型飛行ロボットを利用し,テザー係留型飛行ロボット群による風力発電や情報収集発信の能力を検証し,これを学習制御等により効率化させる方向に勧める予定であったが,予想よりも実ロボットのハードウエアの開発及び制御器の開発が困難であった.より信頼できるハードウエアの開発を進め,これをもとにさらにしミューレションの精度を上げることによって,当初の目的を遂行できるものと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,地上風速が1m程度でも安定して上空まで離陸し,安定した停留飛行を実現するために,ロボットの大型化を進める.カイトはこれまで実験で使ってきたものよりも一回り大きい452x210cmのカイトを使い,より大きな牽引力のあるウインチ装置をある企業と合同で開発しているので,これを早急に進める.ウインチ装置の開発がすめば,このウインチ装置にあった飛行制御器を開発し,実験を繰り返すことによって実データを収集し,シミュレータの精度を上げる.シミュレータを利用することでより安定した効率のより飛行制御器を設計し,実ロボットでの検証を繰り返す.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初購入を検討していた物品が値下がりしたため. 試作した機器が着陸時の衝撃に弱く,修理を繰り返さなくてはならないため,次年度のシステム開発時には衝撃により強くするためのクッション材等の購入に充てたい.
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