2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24650119
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
的場 修 神戸大学, その他の研究科, 教授 (20282593)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 量子情報処理 / 物体認識 / 非構造化データ |
Research Abstract |
本研究では非直交性の非構造化データに対して、量子エンタングルメント状態と呼ばれる量子的相関を利用して高速に画像検索を行うアルゴリズムについて大規模な画像群での有効性を調べることを目的とする。量子情報処理を用いた物体認識アルゴリズムの実装を計算機用グラフィックプロセッサ(GPGPU)を搭載した高速並列計算機上に行い、その認識能力を検証する。構築した物体認識アルゴリズムの特徴は、原信号である画像信号とその特徴量をエンタングルメント状態として作成し、多物体に対する量子重ね合わせ状態を生成する。このとき、特徴量を原信号から自動的に抽出する方法として、SIFT(Scale Invariant Feature Transform)などを導入する。今年度はSIFTの高速版であるSURF(Speeded Up Robust Features)を自動的な特徴抽出として新しく取り入れた。ギリシャ文字のαからωまでの24個の文字画像をSURFで自動的に特徴抽出し、その特徴ベクトルをk-means法で4つの特徴量に集約した特徴量ベクトルの相関演算による確率振幅操作を行った。その結果、24文字の平均認識確率が0.96となることを明らかにした。これは特徴量抽出として4領域固定型の時の平均認識確率が0.92であることからSURFによる自動抽出の有効性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどによって撮影された非構造化データに対する大規模かつ高速な画像検索アルゴリズムとして量子情報処理に基づく物体認識アルゴリズムの性能評価を行うものである。今年度の目標としては、特徴抽出アルゴリズムの実装とGPGPUを用いた量子情報処理による物体認識アルゴリズムの認識能力評価である。今年度の成果としては、検索画像から自動的に特徴を抽出するSURFを導入し、かつ特徴量を有効にクラスタリングするk-means法を導入し、文字画像認識に対して有効であることを実証し、目標を達成した。このときの画像規模は512×512画素であり、画像枚数は24枚である。今年度のもう一つの目標である300枚の画像認識には至っていないが、6GBのメモリを有するGPGPUに実装することを実現し、画像数を増やす方向性を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究計画としては、100人から1,000人規模の顔などの画像認識に、構築した量子情報処理に基づく画像認識アルゴリズムを適用し、その認識能力を評価する。512×512画素の画像データの大きさは0.25MBであるため、6GBのメモリを有するGPGPUでは、8,000画像で2GBとなり、1,000画像から10,000画像に対する認識能力を評価することが可能である。また、3から4個の複数のGPGPUに分散させて処理することで、大規模化においてエミュレーション可能な実装システムとする。認識能力を向上させるために、画像データを位相情報へのコーディングなどを検証する。また、近年非構造化データとして3次元データも増えてきているため、3次元データに対する認識能力を評価することを検討する。同時に顔画像認識においても様々な角度からの投影像を用いてより高精度な認識が行えるように、量子画像認識アルゴリズムの改良を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度における研究費の使用計画としては、年度初め及び秋頃に研究成果の発表を行う。また、6月を目処に計算機端末を購入して、量子情報処理に基づく物体認識アルゴリズムの多物体での認識能力評価を加速させる。
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Research Products
(2 results)