2014 Fiscal Year Annual Research Report
南アジア古代文字の自動特徴抽出機能と年代推定機能を有する画像データベースの構築
Project/Area Number |
24650124
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小澤 哲 茨城大学, 理工学研究科, 特任教授 (20125793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湊 淳 茨城大学, 理工学研究科, 教授 (00209826)
伊多波 正徳 茨城大学, 工学部, 講師 (50400601)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / 国際情報交換 / 歴史情報 / パターン認識 / 画像処理 / データベース / 分散協調システム |
Outline of Annual Research Achievements |
南アジア古代文字のなかで最も重要なスリランカのブラフミー文字の特徴をコンピュータを使って客観的に識別する方法について研究し,「データ解析機能を持つデータベースシステム」を開発した。これを使って,石碑の拓本及びその写真集の形態で蓄積されている膨大なブラフミー文字データをデジタル画像化して,そのデータベースを構築した。初期ブラフミー文字の同一文字データをコンピュータを使って数多く(30サンプル以上)解析し,それらに共通の特徴を客観的に抽出した「標準的ブラフミー文字フォント」を生成した。未解析の碑文上の文字を「標準的ブラフミー文字フォント」と照合することにより,碑文の年代推定や判読がコンピュータ上で半自動的に実施できる手法を開発した。そして,拓本写真(原データ)と標準的ブラフミー文字フォントでの記述文をセットにしたデータベースを構築し,アジア太平洋諸国に配置した協調的知識共有サーバ群システム(KISSEL)上で公開した。このシステムには,データベースとともに,開発した文字解析ツールや研究文献も同時に公開されて,アジア太平洋諸国の研究者と知識共有がはからている。この研究を発展されば,南アジア全体の各種古代文字の時間的空間的な展開過程を解明する総合的データベース構築が可能になる。当該研究では,そのための第一歩とすることができた。また,石碑や拓本に対する自然環境の影響についても研究し,考古学的遺跡・遺物の保存・保管方法に関する提案を行うことができた。遺跡場所の自然環境をモニターするセンサー技術に関連する研究も同時に行った。
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