2012 Fiscal Year Research-status Report
情報通信技術と経済発展に関する国際データベース構築とその解析
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24650126
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
篠崎 彰彦 九州大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (00315045)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / 情報通信技術 / 経済発展 / 格差 / 国際比較 / グローバル / デジタルディバイド / デジタルオポチュニティ |
Research Abstract |
・初年度にあたる平成24年度は、「新興国・途上国を含めたICT関連データの渉猟と収集」および「収集したデータの整備とマクロ経済指標とのマッチング」を行った。 ・具体的には、UNCTAD(国際連合貿易開発会議)、World Bank(世界銀行)、ITU(国際電気通信連合)など各種国際機関に散在する統計データ類を渉猟し、ICT関連のデータ項目数、項目内容、収録国数、データ遡及年などを整理した。 ・これを踏まえて、GDP、人口、識字率など、経済規模や産業構造、生活・所得水準、教育水準などが俯瞰できる各国のマクロ経済・社会指標を渉猟し、上記のICT関連統計データと国数、データ遡及年数などをマッチングさせた共通コードのデータベースを構築した。 ・これらの作業に必要となる情報処理機器(ハードウェア)類の整備を行うとともに、整備したデータを用いて暫定的な定量分析を行い、ディスカッションペーパーを作成した。 ・本研究領域は、変化のスピードが速いため、最新の動向についても常に把握できるよう、先行研究や各国事情の聞き取り調査を日本国内と海外で行い、関連資料の収集のみならず、多くの関係者との討論や意見交換に鋭意取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・当初計画通り、データベースの整備、関連資料の収集、国際情報交換が進捗しており、一部の成果については、日本語によるディスカッションペーパー、経済紙への寄稿、英語によるArticleで公刊した。 ・これらの予備的な成果をもとに、日本国内および海外の研究者等との討論や意見交換を積極的におこなうことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
・今後は、「情報化のグローバルな実態の定量化」と「経済発展に関する実証分析」に取り組み、構築したデータベースに基づく解析を重点的に推進していく。 ・この取り組みに向けて、経済モデルの特定化や統計解析手法の検討に鋭意取り組み、その成果を発表できる体制を整えるとともに、研究者ネットワークの拡充を図る。 ・情報化のグローバルな実態の定量化については、様々なデータ解析を用いて具体的で分かりやすい形に整える。国際比較分析に際しては、各国事情の差が大きいと考えられるため、数字だけによる表面的な解釈に陥らないよう、現地での聞き取り調査や事例研究を通じた実態把握を並行して行い、実情をうまく反映した定量的表示を進める。 ・経済発展に関する実証分析については、年度後半にかけて鋭意取り組み、暫定的に得られた推定結果などをもとに、国内・海外の研究者、政策当局者、ICT関連の企業家など国際事情や実態面に詳しい関係者の意見を聞き、実証分析で導かれた暫定的結果の解釈と追加で取り組むべき分析課題について検討を進める。 ・経済モデルの特定化や推定など高度なプロセスについては、研究協力者の助言と支援を得ると同時に、作業の一部については、大学院生等を臨時的に雇うなどして、効率的で独創的な研究に深めたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・次年度の研究費は、関連する統計資料や国際事情の資料類購入のほか、研究者協力等との討論、国際事情聞き取り調査等の国内・外国旅費、ならびに研究補助(データ入力等)や英文校閲等に使用する計画である。
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