2013 Fiscal Year Annual Research Report
安静時の知的活動源 -「デフォルト脳活動」の神経基盤を動物実験で探る
Project/Area Number |
24650141
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
児玉 亨 公益財団法人東京都医学総合研究所, 認知症・高次脳機能研究分野, 副参事研究員 (20195746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 正孝 公益財団法人東京都医学総合研究所, 認知症・高次脳機能研究分野, シニア研究員 (50092383)
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Keywords | デフォルト活動 / 前頭葉 / ニホンザル |
Research Abstract |
「内省」は前頭葉が担う最もヒトらしい脳機能の1つでありデフォルト活動と密接に関係しているという報告がある。我々もPETイメージを用いてデフォルト状態での前脳の活動性が上昇している事を示した。そこで本研究は霊長類を用いて生理学的手法によりデフォルト活動を形作るものは何かを明らかにすることを目標に進めている。 オペラント反応十分に学習したニホンザルを用いてデフォルト時、注意集中時に安定した状態を維持できるように慣らしを行った。その後、脳波・ニューロン活動記録のために頭蓋上に頭部固定用金具と脳波記録電極を固定。手術後頭を固定した状態で再度サルに追加の習熟訓練を続けた。本研究では前頭連合野の背外側野、眼窩部、前帯状皮質、線条体から局所脳波電位記録を行った。記録中は課題条件や課題の進行状況とともに、フィールド電位のデータを同時にコンピューターに取りこみ解析している。マイクロダイアリシス実験では、サルが報酬を求めて学習行動をしているときとデフォルト状態の時の、脳内における神経伝達物質の動態に関してドーパミンを中心に調べている。運動前野をレファレンスに内側前頭前野におけるドーパミン量の変化を捉え、デフォルト時に有意なドーパミン量の増加を見いだしている。課題遂行時に外側前頭前野ではドーパミンが増加していることを報告しているがデフォルトに関わる内側部では増加していない点が興味深い。さらにアミノ酸などの実行系神経伝達物質との相互作用を詳細に調べる必要性があると考える。
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