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2013 Fiscal Year Research-status Report

宇宙の過去を復元するデータマインニングと統計的因果推論の探求

Research Project

Project/Area Number 24650145
Research InstitutionIwate University

Principal Investigator

花見 仁史  岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (00212150)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 吉森 久  岩手大学, 工学部, 准教授 (40322961)
Keywordsハッブル系列 / データマイニング / 銀河進化 / 星形成 / 銀河中心核 / ダスト / 多環芳香族炭化水素 / 統計的因果推論
Research Abstract

現在の銀河には、楕円銀河から円盤銀河にわたるハッブル系列のように、老いた星の集中する銀河中心部(バルジ)と穏やかな星形成を維持する円盤部からなる銀河構造の秩序性が見られる。一方で、この銀河構造の秩序性は、星形成と巨大ブラックホールが潜む活動的中心核の活動がピークをむかえる宇宙の激動期(赤方偏移z=1~2)では顕著ではない。したがって、現在の銀河構造の発現過程を解明するためには、z<2の赤方偏移ごとに統計的に充分な数の銀河を観測し、それらの星、星間物質の物理状態(密度、温度、速度など)の空間分布の進化をたどることが望ましい。しかしながら、宇宙の激動期ではダストに覆われた赤外線銀河が多数を占めるようになる。ダストは星や活動的中心核からの紫外・可視光を吸収し赤外線を再放射するので、これらの星、星間物質の空間分布の見かけは実際のものとは大きく異なってしまう。そこで、我々はこのようなz<2の赤外線銀河を、ダストに覆われた1つの大きな星形成領域と見なすが(空間0次元)、すべての放射エネルギーの流れを捉えるために、その多波長スペクトルエネルギー分布(波長1次元)をよく再現する(球対称1次元)輻射輸送ダストスペクトルモデルを用いた解析を行って、これらの赤外線銀河の進化を再現した。また、これらの赤外線銀河の多くには活動的中心核が潜んでおり、その活動的中心核の光度は星形成率とおよそ比例する傾向もあるので、銀河全体の星形成と中心部の活動的中心核へのガス流入は宇宙の激動期ではおよそ連動していると思われる。一方で、成長末期にあたるz<0.8に限ると、活動的中心核+星形成銀河の星形成が抑制され、活動的中心核からのフィードバックも示唆されることは明らかにしてきたので、これを統計的に立証する手法の開発を進めた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

我々は赤外線天文衛星「あかり」の8~20um帯撮像観測されたz<2の赤外線銀河について、すばる望遠鏡による可視光、ハーシェル衛星による遠赤外線、及びチャンドラ衛星によるX線の観測も合わせ、多波長測光学的スペクトル解析をした。これらの赤外線銀河の多くにはダストトーラスを持つ活動的中心核が潜んでおり、それらはX線源とよく対応することを明らかにした。さらに、赤外線銀河にも、赤外線光度が大きいものほど、多環芳香族炭化水素(PAH)からの相対的な放射光度が低下する傾向から、PAH欠損問題が示唆された。このように、PAHの性質などに反映された様々な高エネルギー環境下でのダスト破壊の過程が、銀河進化と連動している可能性を見いだしたことは大きな進展である。一方で、活動的中心核と星形成の進化とこれらのダストに関わる過程とをつなぐ統計的解析手法は模索している。

Strategy for Future Research Activity

赤外線銀河については、ダスト輻射輸送スペクトルのモデルに基づいて、ダストの成長・破壊過程に注目して、銀河進化を構築することをしてきた。したがって、赤外線銀河の多波長測光学的スペクトルのデータマイニングに基づいて、銀河進化についての統計的因果推論を進める。さらに、それらの観測データが被っている選択バイアスについて、その効果を軽減するような適切なデータ融合や因果推論の手法を再検討をしているが、これが容易ではない。今一度、その適用についての妥当性や根拠を与える一般的な統計理論を再検討する必要があるので、その理論的整備を進める。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)

  • [Journal Article] A Tale of Two Feedbacks: Star Formation in the Host Galaxies of Radio AGNs2013

    • Author(s)
      Karouzos, M., Im, M., Trichas, M., Goto, T., Malkan, M., Ruiz, A. Jeon, Y., Kim, J.H., Lee, H.M., Kim, S.J., Oi, N., Matsuhara, H., Takagi, T., Murata, K., Wada, T., Wada, K., Shim, H., Hanami, H., Serjeant, S., White, G.J., Pearson, C., Ohyama, Y.
    • Journal Title

      The Astrophysical Journal

      Volume: 784 Pages: 137(全23ページ)

    • DOI

      10.1088/0004-637X/784/2/137

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Physical Properties, Star Formation, and Active Galactic Nucleus Activity in Balmer Break Galaxies at 0<z<12013

    • Author(s)
      Díaz Tello, J.; Donzelli, C.; Padilla, N.; Fujishiro, N.; Hanami, H.; Yoshikawa, T.; Hatsukade, B.
    • Journal Title

      The Astrophysical Journal

      Volume: 771 Pages: 7(全19ページ)

    • DOI

      10.1088/0004-637X/771/1/7

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2015-05-28  

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