2013 Fiscal Year Annual Research Report
垂直眼球運動系の速度‐位置変換に関与するニューロン・シナプス特性
Project/Area Number |
24650160
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
齋藤 康彦 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70290913)
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Keywords | 神経生理学 / 眼球運動 / 神経積分器 / パッチクランプ |
Research Abstract |
眼球運動系では眼球の位置情報は神経積分器においてつくられる。これまで、水平性眼球運動の神経積分器である舌下神経前位核(PHN)ではニューロン特性に関する知見が蓄積されているが、垂直性眼球運動の神経積分器であるカハール間質核(INC)ではほとんど調べられていない。本研究では、INCニューロンの電気生理学的膜特性を調べPHNで得られた知見と比較することにより、両者の違いや共通点を明らかにし神経積分器のメカニズム解明に寄与することが目的である。本年度は、抑制性ニューロンが黄緑色の蛍光色素Venusを呈するトランスジェニックラット(VGT-Venusラット)を用いて、INCのスライス標本においてVenus陽性(Venus+)とVenus陰性(Venus-)ニューロンからホールセル記録を行い、スパイク後過分極(Afterhyperpolarization、以下AHPと略す)とスパイク発生様式(発火パターン)を調べた。その結果、Venus+ ニューロンのAHPの特性はINCとPHNでほぼ同様であったのに対し、Venus- ニューロンでは80%以上がスパイク後脱分極を伴うAHPを示し、PHN(40%)に比べその割合が高かった。発火パターンについては、INCとPHNともにスパイクの発生が遅れる発火パターンを示すタイプ(Late spikingタイプ)の割合がVenus+ ニューロンにおいて高いが、INCでは初めのスパイク間隔が大きい発火特性を示すニューロンの割合はPHNに比べ高かった。Venus- ニューロンではLate spikingタイプの割合はINCの方がPHNより高かった。以上の結果から、水平系と垂直系では電気生理学的特性をもとに分類すると異なるニューロン分布を示すことが明らかになった。
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