2012 Fiscal Year Research-status Report
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24650161
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
眞田 佳門 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50431896)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 概日時計 / 養育活動 |
Research Abstract |
概日時計は、生物の活動や生理の24時間リズムを生み出す。本研究では、概日時計機能に異常を示す母マウスに養育されたマウスが、情動異常を呈することを見出した。Clock分子は概日時計の中枢分子であり、その変異マウスは概日リズムに異常を呈することが知られる。本研究では、雌Clock変異マウス (heterozygous)を 用いて解析した結果、明暗サイクル下において明期の活動量が亢進すること、さらに、出産後間もない時期において授乳活動の日内パターンが変化することを見出した。さらに、このマウスに野生型マウスを里親保育させると、その仔(7-14週齢)の不安様行動が顕著に亢進することを見出した。また、授乳期の仔の脳内セロトニン量が著しく低下することが判明した。従来よりヒトにおいて、虐待や育児放棄などの粗悪な養育環境が子供の不安障害の発症リスクを亢進させることが知られている。本研究により、母親の概日リズム異常もまた、子供の不安レベルの正常発達にとって負に作用する因子であることが示唆できた。また、幼若期の脳内セロトニン量は、不安回路の正常発達に重要であることから、この現象がセロトニン量の制御異常を介していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究により、概日時計に異常を呈するCLock変異マウスを用いて、その養育活動が異常を呈すること、さらに仔の情動が異常を呈することを見出した。さらに、そのメカニズムとして、仔の脳内セロトニン量が低下しているいるという興味深い現象を見出した。現在、今年度の研究成果を原著論文として投稿中であり、当初予定より進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
Clock変異マウスを用いて、その情動の変化と関連することが予想されるストレス応答系を精査する。具体的には、HPA軸の活性およびストレス反応性を一日の中の様々な時刻で調べ、野生型マウスとClock変異マウスで比較解析する。従来より、HPA軸の制御不全が情動に大きく影響を及ぼすことが知られていることから、情動に異常を呈するClock変異マウスでは、HPA軸の制御異常が起こっていることが予想さされる。また、HPA軸の制御に時刻依存性がある場合、その原因を明らかにし、概日時計と情動とのリンクについて、その機序に迫る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究では、日常的にマウスが必要であり、マウスの購入費として当てる。また、変異マウスや野生型マウスの維持に研究費を使用する。さらに、脳内で変化している分子を精査するために、各種抗体やElisaキットを購入する。
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Research Products
(4 results)