2012 Fiscal Year Research-status Report
中枢神経系への放射線照射によって生じる高次機能障害の評価及び予防法
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24650168
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
石内 勝吾 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10312878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富永 大介 琉球大学, 教育学部, 教授 (00112160)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 放射線障害 / 認知能 / 海馬 / 神経幹細胞 |
Research Abstract |
平成24年度は臨床研究を施行した。ヒト全脳照射施行例20例における認知行動機能の解析およびfMRIを用いた海馬機能解析を施行した。その結果照射前には、全般性認知機能(3MS,MMSE,HDS-R)は保たれているものの、前頭葉の実行系機能のうちの柔軟性(TMT)および抑制性(Stroop)機能は、悪性度が高まると障害される傾向を認めた。 functiona magnetic resonance imaging(fMRI)にてpattern separation taskを行い海馬歯状回の機能を評価したが、20例全例で放射線治療開始後2週間で、似て非なるものを識別する機能の低下を認め、20例中19例は正答率の0%であった。 本年度購入したLC-Model定量解析ソフトウエアを用いて放射線治療患者の神経幹細胞の新生活性を時間軸に沿って追跡解析した。fMRIよりえられた所見に一致し照射中には1.28ppmおよびNAAのピークの減少が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床解析では、高次機能とくに前頭葉の実行系機能の障害が認められ、機能的磁気共鳴画像を用いた海馬機能解析およびLC-Model定量解析ソフトウエアを用いたMRS解析において放射線により海馬の神経新生能の低下が示唆された。この所見は我々の仮説を支持するものである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は臨床研究を継続しさらに細胞、動物モデルによる解析を行う。 Oxygenationとneural stem cellの増殖と分化に着目し解析する。用いる細胞はヒト神経幹細胞(H9 human embryonic cell derived , invitrogen)および研究代表者が樹立したマウス海馬歯状回由来neural stem cell lineである。実験に必要な培養細胞用および動物用高気圧酸素チェンバーと放射線照射装置は現有している。HBO群、単独照射群、HBO+照射群に分けて以下を検索する。 ①【細胞分裂】海馬歯状回神経幹細胞に対する各群の細胞死、細胞分化に対する影響 ②【細胞移動性】海馬歯状回神経幹細胞に対する各群の細胞走行性に対する影響 ③【免疫細胞に与える影響】海馬歯状回神経幹細胞に対する各群の誘発する炎症細胞の位置づけ。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主な使用用途は、培養関連の消耗品や動物実験に必要な消耗品、薬剤の購入に当てる。
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Research Products
(11 results)