2013 Fiscal Year Annual Research Report
In vivoイメージングによるプルキンエ細胞樹状突起形態形成メカニズムの解明
Project/Area Number |
24650171
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
竹尾 ゆかり 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (90624320)
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Keywords | 神経科学 / 樹状突起 / in vivoイメージング / プルキンエ細胞 / 小脳 |
Research Abstract |
本研究では、ユニークかつ比較的均一な細胞形態を特徴とするプルキンエ細胞をモデルとして、in vivoでの樹状突起形成機構の解明を目指した。in ivoでのプルキンエ細胞に対する遺伝子導入法はこれまで限られていたが、子宮内電気穿孔法を応用して、マウス小脳プルキンエ細胞へ効率的にin vivoで遺伝子導入を行う手法を確立した(Eur.J.Neurosci.,'12)。本手法を用いて遺伝子導入したマウス小脳プルキンエ細胞の樹状突起形成過程を、2光子顕微鏡を用いたin vivoイメージング法によって観察し、生後6日目頃から複数の短い樹状突起が伸長および退縮しながら、生後8-9日目までの間に成熟した1次樹状突起と平面状に分岐した突起が形成される様子を捉えることができた。プルキンエ細胞において神経活動を低下させると、余剰な突起の退縮および突起分枝平面化の過程は障害された。神経活動が生後6-9日目の樹状突起形態変化に必要であることが示唆される。今後さらに神経活動が制御するメカニズムを明らかにしていきたい(投稿準備中)。 また、プルキンエ細胞樹状突起発達機構に重要な役割を果たすことが示唆されていたRORαの機能についても検討した。生後4日目以降から時期特異的に、プルキンエ細胞においてRNA干渉法によるRORαの発現抑制を行ったところ、正常な1次樹状突起および分枝の形成が損なわれ、細く枝分かれに乏しい突起を持った異常形態を示すことが分かった。これまでRORαは、胎生期型の幼若な突起を生後4日目までに退縮させる段階に必要であると考えられていたが、その後も樹状突起形成の各ステップに重要な役割を果たすことが示された(投稿準備中)。
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Research Products
(1 results)