2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24650173
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
中込 隆之 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (80434950)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 神経再生 / 神経幹細胞 / 脳梗塞 / ペリサイト / 多能性幹細胞 / 神経分化 / 血管分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちは、これまでに脳傷害時に生体内で誘導される自己の神経幹細胞の存在に着目し、その単離を試みてきた。その結果、脳梗塞後の成体マウスの大脳皮質(脳梗塞巣)より、ニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイトの三系統に分化する能力を有する内因性神経幹細胞[脳傷害(虚血)誘導性神経幹細胞; injury/ischemia-induced neural stem/progenitor cells (iNSPCs)] を分離、培養することに成功した (Eur J Neurosci, 2009)。私たちは、本神経幹細胞が神経系の細胞に分化可能であることを既に明らかにしてきたが、近年、神経幹細胞のサブタイプの中には、神経系のみならず、血管系のlineageにも分化可能な多能性幹細胞が存在することが報告されている。 そこで、本研究では、iNSPCsが神経系のみならず、血管系の細胞にも分化し得る多能性幹細胞としての特性を有するかどうかに関して検討した。その結果、iNSPCsは、神経系の遺伝子に加え、様々な血管系関連遺伝子を発現していた。また、培養条件によって、神経系の細胞のみならず、tube-formationを形成する血管系の細胞にも分化することが明らかとなった。さらに、我々は、その多能性幹細胞の起源を検討した結果、血管周囲に存在する周皮細胞(ペリサイト)が、虚血負荷によりiNSPCsに変化することをつきとめた (Stem Cells, 2015)。以上の所見は脳傷害後の梗塞領域では、神経及び血管の修復機構が同時に起こり得ることを強く示唆しており、脳傷害後の神経・血管再生機構の解明にとって重要な知見を提示するものであると考えられる。
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Research Products
(4 results)