2012 Fiscal Year Research-status Report
精神遅滞関連タンパク質複合体による生後脳発達の制御メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
24650199
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
酒井 康成 九州大学, 大学病院, 講師 (10380396)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 精神遅滞 / タンパク質複合体 / DEAF1 / 分子シグナル |
Research Abstract |
目的:全ゲノムシークエンス解析の結果、精神遅滞関連遺伝子のひとつとして、DEAF1遺伝子が同定された。本研究では、発達障害および知的障害の分子メカニズムを明らかにするために、転写因子DEAF1タンパク質の機能と脳内での機能的複合体を明らかにする。 結果:DEAF1の脳内発現様式を明らかにするために、8週令マウス脳を用いて免疫染色を行ったところ、様々な成熟ニューロンに高く発現していることを確認した。脳内でのタンパク質複合体を明らかにするために、免疫沈降法を行い、これまであきらかにされていない新たな結合パートナーを見いだした。このことをインビトロで確認するために、DEAF1発現ベクターを作成し、培養細胞で免疫沈降を行い、同様の結果を得た。この複合体の機能を明らかにするために、ルシフェラーゼ・アッセイ等、各種機能的解析を行い、中枢ニューロンにおけるシグナル伝達経路に重要な役割を果たす可能性が示唆された。 意義と重要性:本研究は、疾患関連遺伝子のひとつであるDEAF1の機能を明らかにするために、脳内タンパク質複合体に着目した挑戦的課題である。研究初年度の成果から、小児期の脳発達障害における新たな病態メカニズムと治療標的を得るための手がかりを得る可能性が高いと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度の成果から、小児期の脳発達障害における新たな病態メカニズムと治療標的を得るための手がかりを得る可能性が高いと考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究結果をもとに、DEAF1遺伝子変異による脳内分子シグナル異常と発達障害との関連性について、詳細を明らかにする。とくに誘導神経細胞を用いた正常分子シグナルの恒常性が、DEAF1の機能的喪失にともなってどのように変化するのかを、トランスクリプトームとバイオインフォマティクス解析を駆使して研究を推進させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マイクロアレイを用いた遺伝子発現変化から、DEAF1が調節する標的遺伝子を探索する。解析費用はおよそ60万円。
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Research Products
(3 results)