2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24650203
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
古谷 祐詞 分子科学研究所, 生命・錯体分子科学研究領域, 准教授 (80432285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中條 浩一 生理学研究所, 分子生理研究系, 助教 (80390699)
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Keywords | 赤外分光法 / イオンチャネル / 生物物理学 / 分子科学 / 振動分光法 |
Research Abstract |
イオンチャネル蛋白質は、様々な刺激に応じてイオンを選択的に透過することで生体電気信号の発生を制御する。このように重要な生理現象を担うイオンチャネルの機能発現の分子機構の解明には原子レベルでの構造情報が必要である。カリウムイオンチャネルKcsAに代表されるように、いくつかのX線結晶構造が報告されているが、医学・薬学分野で重要なヒト由来のイオンチャネルの構造解析は、タンパク質の機能的発現方法を含めて、極めて困難な課題である。 本研究では、代表者らが中心となって開発を進めている全反射赤外分光法を哺乳動物由来イオンチャネルに適用し、イオンや分子との相互作用やゲートの開閉に関する分子振動の変化から原子レベルでの構造情報の取得を目指した。 平成24年度に、種々のカリウムチャネルについて緑色蛍光タンパク質GFPとの融合タンパク質を発現し、蛍光検出ゲル濾過カラムクロマトグラフィー(FSEC解析)によりスクリーニングを行い、細胞の静止膜電位に関係するKCNK1チャネル(TWIK-1とも呼ばれる)が赤外分光解析に最も有望であることが分かった。その後、KCNK1について、カリウムイオンおよびナトリウムイオン存在下での赤外分光計測に着手した。最終年度の平成25年度は各種アルカリイオンや部位特異的変異タンパク質についての赤外分光解析も行った。その結果、赤外差スペクトルとKCNK1のイオン選択性の特性と関連づけられる結果が得られた。研究結果の一部については、日本生物物理学会においてポスター発表を行った。
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Research Products
(6 results)