2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24650208
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
畠 義郎 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40212146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 武正 鳥取大学, 医学部, 助教 (80346345)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | シナプス / 神経回路 |
Research Abstract |
脳機能は神経回路として実装されており、神経回路の有様を理解することで脳を理解しようとするアプローチは、神経科学の重要な手法である。この時、軸索投射の多寡が機能的インパクトの強弱を反映すると一般的に考えられている。しかし、齧歯類の視覚系視床-皮質投射の形態は、視覚皮質が持つ限局した視覚受容野に比べて大きく広がっており、投射軸索の広がりが機能的投射を反映しない可能性が考えられる。マウスの膝状体-皮質単一軸索上にシナプス部位をマップすることを計画した。 本課題では、視床-皮質投射の単一軸索について、以下の手法により、その分枝形態とその上に存在するシナプス部分をマップし、軸索分枝とシナプスの分布を比較する。 1)マウス視床外側膝状体ニューロンに、膜移行型蛍光タンパクを発現させ、軸索形態を可視化する。2)同時に、シナプス前マーカーとして、蛍光標識した小胞性グルタミン酸トランスポーターを発現させ、シナプス部分を可視化する。3)皮質内の単一軸索の分枝形態を組織学的に再構成し、さらにその上にあるシナプス前マーカーをマップする。4)軸索分枝とシナプスマーカーの分布を比較し、軸索上にシナプスが均一に分布するかどうかを明らかにする。 今年度はステップ1,2に取り組み、アデノ随伴ウィルスベクターを用いて、マウス視床に赤色蛍光タンパクと、緑色蛍光タンパクとシナプスマーカータンパクsynaptophysinを共発現させることが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り視床-皮質投射軸索とシナプス前部のマーカータンパクを、それぞれ異なる蛍光タンパクで標識することができた。これにより、今後はその分布の解析を開始することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に沿って、軸索形態とシナプス分布の解析を開始する。特に変更はない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品購入の際、当初の予定よりも安価に購入できたため、若干の「次年度使用額」が発生したが、これは次年度の消耗品購入等に充てる予定である。
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