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2012 Fiscal Year Research-status Report

自由行動下、細胞レベルでのin vivoイメージング装置の開発と場所細胞への適用

Research Project

Project/Area Number 24650209
Research InstitutionUniversity of Miyazaki

Principal Investigator

若園 佳彦  宮崎大学, 医学部, 助教 (90377755)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywordsin vivo イメージング / 自由行動 / 海馬 / 神経活動
Research Abstract

脳神経活動を蛍光強度の変化として長期間(数週間~数か月)モニターするためには、長期間安定して蛍光タンパク質を発現する必要がある。レンチウイルスベクターは比較的細胞毒性が少なく、長期間安定して外来遺伝子を発現できると報告されている。そこではじめに、緑色蛍光タンパク質(GFP)を発現するレンチウイルスベクターを作製し、その検討を行った。
我々は、海馬のCA1錐体細胞層に特異的に現れるシータ波をモニターすることにより、CA1錐体細胞層に効率的にウイルスベクターを注入するシステムを開発した。このシステムを用いて、上記ウイルスベクターをマウスの海馬CA1領域に注入し、2~3週間飼育したのち、脳を取り出し、海馬のスライスを作製し、蛍光顕微鏡を用いて観察したところ、錐体細胞層において強いGFPシグナルが観察された。この結果、このウイルスベクターの錐体細胞への感染と外来遺伝子の導入・発現が確認できた。
さらに上記の海馬スライス標本において、ウイルス感染によりGFPを発現したCA1錐体細胞のシナプス伝達特性(興奮性後シナプス電流:EPSC)をホールセルパッチクランプ法を用いて検討したところ、非感染錐体細胞と比較して両者に相違は認められず、また、シェーファー側枝のシータ・バースト刺激による長期増強(LTP)作用の誘導は共に観察された。
以上の結果から、ウイルス感染細胞の長期間(少なくとも3週間以上)の生存と外来遺伝子の持続的発現が確認できた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

GFPを発現するレンチウイルスベクターを海馬CA1領域に注入し、急性スライス標本を作製して蛍光顕微鏡観察を行った結果、60倍対物レンズの使用下、視野内の20~30%の錐体細胞にGFPの発現が認めれ、さらにその蛍光強度は非常に強いものであったことから、作製したウイルスベクターの感染効率及び発現効率は非常に高いものと考えられる。
これまで、in vivoイメージング装置の開発においては、脳内への蛍光色素の注入やヘルペスウイルスベクターを注入してその性能を検討してきたが、拡散や細胞毒性のためその蛍光シグナルは非常に弱く、装置の性能を十分に評価することは困難であった。しかし、今回、感染効率及び発現効率の非常に高いウイルスベクターを作製できたことは、今後のイメージング装置の開発において、その性能の評価を効率良く遂行できるものと期待する。

Strategy for Future Research Activity

まずはじめに、現時点におけるイメージングシステムを評価するため、今回作成したウイルスベクターを今年度と同様にラットの海馬に注入し、2~3週間後、麻酔下、頭部を固定した状態でイメージングファイバーを脳内に刺入し、遺伝子導入した蛍光タンパク質の観察を試みる。
イメージングシステムの評価において、もっとも危惧される問題点は、ファイバー伝搬時における蛍光シグナルの減衰であると考える。従って、得られた蛍光像が余りに暗い、或いは確認できない時には、バンドルファイバーに代えて屈折率分布型(GRIN)レンズの使用も考慮する。
神経活動をモニターする蛍光プローブについては、おそらく得られる蛍光は非常に微弱なものと考える。従って、蛍光強度の変化よりむしろ、蛍光タンパク質の分布の変化(例えば、神経活動の増加に伴い、細胞質から細胞膜へ移動するようなタンパク質)を利用することを考えている。現時点におけるその候補としては、プロテインキナーゼCα(PKCα)を考えている。
PKCαにタグとしてGFPを連結したレンチウイルスベクターを作製し、まずは、in vitroの系を用いて刺激に伴うPKCαの動態変化を確認したのち、in vivoの系に適用する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

ウイルスベクターを用いて、脳内の神経細胞に遺伝子導入された蛍光タンパク質のシグナル強度は、バンドルファイバーなどを介することによる減衰などにより、相当に微弱であると考える。従って、そのような微弱蛍光を観察するためには、高感度の蛍光カメラの使用は必須であると考える。故に、次年度においては、高感度カメラの購入を最優先に計画している。
さらに、イメージングシステムの性能向上のため、より高伝達のバンドルファイバーや、或いはGRINレンズなどの光学部品の購入も検討している。
試薬などのその他の消耗品については、今年度と比較して減少する予定だが、それでも必要不可欠のために計上している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013 2012

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] An application of selective injection system into hippocampus CA1 under monitoring of theta oscillation for analyzing LTP expression2013

    • Author(s)
      若園佳彦、蔦島譲治、國武孝人、高宮考悟
    • Organizer
      第36回日本神経科学大会 (Neuro2013)
    • Place of Presentation
      京都
    • Year and Date
      20130620-20130623
  • [Presentation] Application of hippocampus CA1-selective gene transfer system for analyzing LTP expression mechanisms2012

    • Author(s)
      若園佳彦、蔦島譲治、スワチャンダ・ソングメン、國武孝人、高宮考悟
    • Organizer
      第35回日本神経科学大会
    • Place of Presentation
      名古屋市
    • Year and Date
      20120918-20120921

URL: 

Published: 2014-07-24  

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