2013 Fiscal Year Annual Research Report
自由行動下、細胞レベルでのin vivoイメージング装置の開発と場所細胞への適用
Project/Area Number |
24650209
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
若園 佳彦 宮崎大学, 医学部, 助教 (90377755)
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Keywords | in vivo イメージング / 自由行動 / 海馬 / 神経活動 |
Research Abstract |
本研究では、脳の高次機能解明のため、自由行動下において、行動と神経活動を同時に長期間記録するためのin vivoイメージングシステムの開発を試みた。 初年度は、緑色蛍光タンパク質(GFP)を発現するレンチウイルスベクターの作製と共に、シータ波を利用してこのベクターを海馬CA1領域へ効率的に注入するシステムを開発した。このシステムによる上記ベクターのマウスの海馬CA1領域への注入は、蛍光顕微鏡下、スライス標本において、ウイルス感染細胞の長期間(3週間以上)の生存と外来遺伝子の持続的発現、さらにパッチクランプ法により、ウイルス感染に伴うシナプス伝達などの電気生理学的特性に対する影響は認められないことが確認できた。 最終年度は、初年度に作製したウイルスベクターを用いてイメージングシステムの評価及び改良を試みた。「研究実施計画」では軟性ファイバーを用いる予定であったが、蛍光シグナルのファイバー伝搬時における著しい減衰が予想されたため、ファイバーに代えて屈折率分布型(GRIN)レンズを使用した。初年度同様にベクターをマウス海馬に注入し、2~3週間後、麻酔下、頭部を固定した状態でGRINレンズを脳内に刺入し、蛍光顕微鏡による蛍光像の取得を試みたが、蛍光像は得られなかった。そこでスライス標本を作製し、GRINレンズを介して同様に蛍光像の取得を試みたところ、蛍光像は得られたが、その像は若干暗く、また最適な像を得るためには焦点の微調整などが必要であった。 以上本研究において、生体脳における細胞レベルでのイメージングシステムの基本的な光学系には問題はないことが明らかとなったが、像の最適化のためには更なるシステム改良が必要であることが今後の課題として残った。これらの課題は、神経活動を数%の蛍光強度の変化で捉えるより、蛍光色の変化や蛍光の分布変化を利用することにより一部克服できるものと考えられる。
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Research Products
(1 results)