2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24650213
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大木 高志 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (80443480)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 心筋分化 / ヒトiPS細胞 / アデノウイルス / アクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
引き続きヒトiPS細胞由来の心筋細胞に、心筋変異遺伝子をコードするアデノウイルスを感染させ、SPOC(自律振動現象)測定を行った。 1)アデノウイルスを用いた心筋症変異アクチン遺伝子導入法の改良 ○変異アクチン遺伝子の導入は、変異アクチン遺伝子とレポーター遺伝子(EGFP)を同時発現させることで確認しているが、サルコメアには内在性の野生型アクチンも同時に組み込まれている。そこでアデノウイルスに、内在性アクチン発現を阻害するsiRNA発現ユニットを組み込み、サルコメア内の変異アクチンが占める割合を増加させた。 2)SPOCパラメータ異常を起こす心筋症アクチン変異遺伝子E101Kはミオシンとの親和性が低い ○心筋症アクチン変異遺伝子E101Kを心筋細胞で発現させたところ、SPOC時のサルコメア長の変化量が減少した。野生型の場合、弛緩時のサルコメア長は1.7μm、収縮時1.46μmで約14%の振幅が見られたが、変異アクチンの場合は、約9%の振幅だった(弛緩時のサルコメア長は野生型と同じく1.7μm)。この変化が変異アクチンのどのような性質によるものかを調べるため、変異アクチン遺伝子をマウスC2C12細胞に過剰発現させ、単離精製した。精製した変異アクチンを用いてミオシンとのActin activated ATPase活性を測定したところ、ATPase活性(Vmax)はほとんど変わらないが、見かけのミオシンとの親和性が1/3に減少していた(Kactinが3倍に増加した)。 3)SPOCはサルコメア異常を検出できる新たな測定法である ○変異アクチン遺伝子を導入したヒトiPS由来心筋細胞は、野生型と異なるSPOCパラメータを示すことがわかった。これらの結果によってSPOCがサルコメア内タンパク質の異常を検出できる可能性が示唆された。
|