2013 Fiscal Year Research-status Report
サイトカイン暴露で誘導されるサルの行動異常の検討―サル統合失調症モデル作出の試み
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24650215
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 克樹 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (70243110)
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Keywords | サイトカイン / サル / 行動 / 胎児 / 新生児 / 統合失調症 |
Research Abstract |
平成25年度は、上皮成長因子を2頭の新生児に投与した。これまでの結果からは、次年度後半以降に行動変化が見られると期待される。また、ニューレグリンを妊娠個体2頭に投与した。しかしながら、いずれも出産にいたらなかった。ニューレグリン投与の影響であるのか否かは確認できていないが、妊娠個体への投与は一旦中止することとした。すでに行動変化が現れている個体の行動解析を進めた。同腹子を対照個体とした。活動量の測定から、成長因子投与個体の動きが多いことが示された。これは多動傾向を定量的に示すことができた結果と考えられる。また、認知課題として、図形弁別課題および逆転学習課題を実施した。投与個体で有意に学習が悪くなっていることが示された。これは、前頭葉機能が低下していることを示唆するものであると考えている。観察から、注視行動に変化が現れているという印象を得ている。行動をビデオ撮影した。今後定量化を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
認知課題や活動量での変化を示すことができた。多動傾向と前頭葉機能低下を示すもので、非常に重要な成果であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
注視行動の定量化のために新たな装置を導入する計画を持っている。また、脳内の伝達物質系(特にドーパミン系)の機能変化を検討することも予定している。
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