Research Abstract |
通常の時計シグナルは、ギャップ結合やシナプスなど細胞同士の接触によって時計シグナルが同期していると考えられる。しかし、浮遊細胞である血球系細胞にリズムがあるのか?またそうであるなら、どのようなシグナルによって浮遊細胞の時計は同調しているのであろうか。そこで今回、シングルセルレベルの血液検査に先立ち、まずはヒトリンパ球由来細胞系を用いてシングルセルでの時計遺伝子発現検出系の構築を行った。具体的には、ヒトの時計遺伝子として次の20遺伝子, Per1, Per2, Per3, Cry1, Cry2, Clock, Npas2, Arntl1, Arntl2, Dbp, Tef, Hlf, Nfil3, Rora, Rorb, Rorc, Nr1d1, Nr1d2, Bhlhe40, Bhlhe41,およびコントロール遺伝子として Rplp0とActbの発現を定量化するため、各遺伝子に対してTaqman realtime PCR用のprimerとprobeを設計・合成した。さらに、培養中の細胞をセルソーターBD FACSAriaII Cell Sorterを用いてシングルセルレベルで分取し、これを直接CellsDirectにかけることにより1ステップでRNA抽出および逆転写によるcDNAの合成を行った。さらにこの微量なcDNAを解析するあたり、ナノリットルレベルで定量的PCRを行うことのできる超微小流体制御遺伝子解析装置BioMark-Iシステムを用いてアッセイを行った。その結果、このヒト細胞に発現するすべてのヒト時計遺伝子群をシングルセルレベルで検出することに成功した。
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