2014 Fiscal Year Annual Research Report
高出力フェムト秒レーザーによる哺乳類胚の単一細胞の遺伝子改変技術の確立
Project/Area Number |
24650230
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 幹子 東京工業大学, 生命理工学研究科, 准教授 (40376950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 陽一郎 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 准教授 (20448088)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | レーザー / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高出力フェムト秒レーザーを用いて、哺乳類胚体の単一細胞レベルへのバイオナノ分子の導入を行う技術を確立することを目標とした。本手法では、我々が確立したフェムト秒レーザーによる単一細胞へのバイオナノ粒子導入法を元に、卵黄嚢に包まれたマウス胚の特定の単一細胞に遺伝子操作を目的としたバイオナノ分子を物理的に効率的に導入する技術できる技術の基盤の確立を試みた。まず、マウス胚の単一細胞にフェムト秒レーザーを用いてバイオナノ分子を導入させるための培養系の確立を試みた。その結果、E9.0 のマウス胚のライヘルト膜を取り除き、フェムト秒レーザーを卵黄膜に開けた小さな穴を通過させて、胚表面のターゲット細胞に焦点を充てた後、穴を塞ぎ、すぐにラット血清中で 37 ℃で回転培養すれば、24 時間まで正常に発生できることを確認した。次に、マウス胚の単一細胞にレーザーパルスを用いて、バイオナノ分子を導入するためのレーザーの条件の検討を行った。その結果、低繰り返しの高エネルギーのレーザーパルスを用いることで、マウス胚の単一細胞の細胞膜にアブレーションに起因する微小破壊を誘導できることを確認した。そこで、培養したマウス胚の単一細胞に、低繰り返しで高エネルギーのレーザーパルスでバイオナノ分子の導入を試みた。まず、卵黄膜の表面に開けた小さな穴から、10,000 Da の蛍光デキストランを神経管に注入した後、単一神経細胞に焦点をあわせて 400 nJ のレーザーパルスを照射させた。さらに、卵黄膜の穴を塞ぎ、ラット血清中で 37℃で回転培養させると、24 時間後に単一神経細胞で、デキストランの蛍光が確認された。これらのことから、高出力フェムト秒レーザーを用いたフォトポレーション技術により、マウス胚の単一細胞に 10,000 Da までの分子量の分子を物理的に導入可能であることが示された。
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Research Products
(4 results)