2012 Fiscal Year Research-status Report
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24650232
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
本道 栄一 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (30271745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 憲之 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (10302770)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 低重力 / マウス / エピジェネティクス / 次世代効果 |
Research Abstract |
本研究は、重力が及ぼすエピジェネティック効果を検証することを目的としている。現在は、超電導磁石を用いて大きな磁場勾配を作ることが可能であり、適切な位置に水分子を置くと重力と反対の向きに揚力を受けることが出来る。これを利用し、マウスを強磁場勾配中に晒すことでマウスにかかる見掛け上の重力を0.58gまで減じた。予備実験の結果、二週間の暴露でマウスはかなりの体重を減じたため、平成24年度には、低重力にさらしたマウスからのサンプルを作製するにあたり、性成熟に達した雄マウスを用いた。通常、内分泌かく乱物質等の世代を越えた作用を調査する際、妊娠期間中の胎子が生殖腺形成にある時期に物質の投与等を行うことが多いが、成雄マウスを用いることもある。従って、本研究では8週齢の雄マウスに対し、0.58g低重力暴露試験を行った。対象群は、同じ強さの磁場にさらしたマウスを用いた(揚力は受けないため、かかる重力は1g)。体重測定の結果では、低重力環境下のマウスが、実験前:1週間後:2週間後でそれぞれ23g:17g:16gと著しい体重の減少を伴ったのに対し、磁場対照群では、実験前:1週間後でそれぞれ22g:20gと大きな体重変化を伴わなかった。本実験群は、現在エピジェネティック効果をみるため、マウスの次世代の形成に供している。さらに、別の低重力暴露マウスおよび磁場対照群からの精巣を採集し、それをChIP-seq法により次世代シーケンサーを用いた網羅的エピゲノム解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスへの低重力暴露により思わぬ体重減少を観たものの、別法により目的の材料採集が完了出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、次世代シーケンサー解析を行う前段階にあり、予定通りに進展しているので特段の推進策は計画していない。次世代シーケンシングは外注により行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
用途は、1.追加の低重力暴露試験のための名古屋‐つくば間の旅費(1回の2週間暴露試験で、初回、1週間後、2週間後の調査のため3往復)、国内学会発表のための旅費 2.次世代シーケンシングのための費用(1サンプル15万円)3.追加のChIP-seq用サンプル調整費を予定している。
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