2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24650232
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
本道 栄一 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (30271745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 憲之 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端的共通技術部門, 主任研究員 (10302770)
大松 勉 東京農工大学, 農学部, 講師 (60455392)
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Keywords | 低重力 / エピジェネティクス / 次世代 |
Research Abstract |
本研究は、低重力環境が及ぼす体細胞への影響がどのようなものか、そしてそれが世代を越えて行く可能性があるのかどうかについて検討するものである。 本年度には、0.58gの低重力環境と、同磁気力にさらした1g対照群との間で、精巣エピゲノムの比較を行った。エピゲノムとしてDNAのメチル化部位に着目した。低重力暴露は、共同研究者の所属する独立行政法人 物質材料研究機構にて2週間行った。超電導磁石の中で充分な飼料と水を設置した後、1週間放置し、動物の観察、飼育装置の清掃後、さらに1週間の低重力暴露を行った。実験開始から2週間後に、超電導磁石からマウスを取り出し、名古屋大学へ持ち帰った。大学到着後、ただちにマウスを安楽死させ精巣を採材し、-80℃にて保存した。低重力暴露群および対照群の精巣はそれぞれDNAを抽出し、物理的な断片化の後、抗メチル化シトシン抗体を用いたクロマチン免疫沈降により、メチル化DNAの回収を行った。回収したDNAは次世代シーケンシングに供した。 シーケンシングの後、得られたcontig配列をaverage coverage値で選抜したところ、両者間で存在比が100倍以上のcontig配列は18個あり、そのうち6個は対照群には一切存在しなかった。また、対照群の存在比が高いものは1個だけ存在した。これらはすべて遺伝子内もしくは5'側もしくは3'側の第一もしくは最終エクソンから1kb以内の遺伝子近傍の配列だった。また18個中にはアルツハイマー関連遺伝子も含まれた。現時点では18個の遺伝子のうち、いくつが次世代でも引き継がれて修飾されるのかは不明であり、今後の調査が待たれる。
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Research Products
(2 results)