2013 Fiscal Year Research-status Report
MRI複素誘電率画像は細胞内水分子のネットワーク構造を反映するか?
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24650246
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 徹 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (80261361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
THA K.K. 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (20451445)
堤 香織 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (80344505)
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Keywords | MRI / 誘電率 / 高周波電気物性 |
Research Abstract |
本研究はタンパク発現に伴う水構造の変化をMRIにより捉えることを目的としているが、水構造の変化により散逸構造(格子緩和過程)も変化するので、タンパク発現はMRIの縦緩和時間にも反映する可能性がある。そこで、時系列誘電率測定の対照実験として、時系列縦緩和時間測定も実施することとした。T1測定法として、現在までにIR法やLook-Locker法などが開発されてきたが、IR法は測定時間が非常に長く、また、Look-Locker法は精度が低いといった欠点がある。そのため、グラジエントエコー法を用いた新しいT1測定法を提案し、30秒の時間分解能で縦緩和時間を高速高精度に画像化できることを示した。 また、MRI専用の高周波電磁界解析システム(SEMCAD)を用い、MRI受信信号の位相の詳細解析を行い、我々が開発した位相情報のみから比吸収率(SAR)を求める方法(「発熱分布情報を生成する装置と方法、磁気共鳴画像装置及びプログラム」、出願番号:PCT/JP2013/59784)は、用いる高周波磁界強度が小さなほど高精度であることが判明した。さらに、このことは、ファントム実験によっても実証した。これらの結果は、位相分布情報のみから電気伝導度を算出し、また、高周波磁界強度分布情報のみから誘電率を算出する方法(Voigt, Magn Reson Med, 2011)を用いる際、電気伝導度、誘電率の測定精度を向上させる上で参考となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
使用していた1.5T MRIが3T MRIに更新されることが急遽決まり、数ヶ月間、MRI装置の使用が不能となり、計画していた実験を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
MRI装置更新に伴い計画が遅れたため、当初の平成26年度計画で予定していた患者実験を割愛することとした。今年度は、MRI下でのタンパク発現実験を実施し、その後に正常ボランティア実験を行う。当初計画では1.5T MRIを用いる予定であったが、3T MRI装置に更新されたことで複素誘電率測定精度が向上するので、目的とするタンパク発現に伴う誘電率変化を捉えられるものと期待している。
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Research Products
(4 results)