2012 Fiscal Year Research-status Report
皮膚疾患に見られる角層の機能異常の検出とその識別化
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24650247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
中川 公一 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (00244393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤村 大輔 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60196334)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 生体計測 / 電子スピン共鳴 / 皮膚角層 / ESRイメージング / スピンプローブ / シミュレーション |
Research Abstract |
初年度は、尋常性乾癬の角層の測定と模擬試料を用いたESRイメージングの画像処理法およびESRイメージングの応用測定を行った。皮膚角層の応用測定として、共同研究者から提供のあった尋常性乾癬の角層を市販の一鎖型脂肪酸であるスピンプローブの5-DSA (5-doxylstearic acid)で測定した。その結果、これまで得られているコントロールとは全くことなるESRスペクトルが得られた。さらに、スペクトルはシミュレーション法を用いて定量解析したところ、コントロールとは全くことなる値が得られた。シミュレーションによる皮膚角層のオーダー性や運動性の解析から、角層構造の異常性が考えられた。これらの一部の成果は、学術論文としてアクセプトになっている。 ESRイメージング法を用いる初期段階として、模擬試料を用いたイメージング測定および画像化へのデータ処理を試みた。模擬試料としては、安定ラジカルであるDPPH (2,2-Diphenyl-1-picrylhydrazyl)を使用した。また、市販の画像処理ソフトで観測データをスペクトル-空間の2次元画像にする試みをした。 さらに、ESRイメージング法の皮膚以外の応用測定を試みている。身近にある食品の中には、不対電子をもつ遷移金属や加熱処理などで生じた安定ラジカルを含むものがあり、ESRイメージング法の応用測定の対象になるものがある。その一例として、3-4 mmサイズのものを磁場勾配を反転させて測定することができた。現在、得られたデータの画像処理を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
皮膚計測と画像関連の研究での主な理由は、以下の通りである。 研究計画を達成する模擬試料の画像化を行うことができた。 皮膚科学関連のジャーナルと画像の関連の論文が印刷中である。 以上のことから、順調の進展と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
ESRによる皮膚の応用計測と模擬試料の画像化でおおよその目標は達成できたが、さらに、いろいろな試料のイメージング測定を行い実験と解析精度の向上を目指す。今後の研究方針としては、 (1) イメージングの測定技術 (2) データの画像化の技術と画像の解像度上げるよう努める。 また、これまでの結果を踏まえ、より多くの試料を測定しESRイメージングの応用範囲を高めるようにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究用消耗品を購入し、実験をし研究課題の推進を図る。
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