2013 Fiscal Year Annual Research Report
咬合力の直接伝達を緩衝する歯根膜組織を有した次世代型歯科インプラントの開発
Project/Area Number |
24650255
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森田 康之 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90380534)
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Keywords | 細胞・組織 / 細胞培養 / 増殖・分化 / 間葉系幹細胞 / 機械的伸縮刺激 / 細胞外マトリックス / 再生医学 / 機械材料・材料力学 |
Research Abstract |
歯根膜組織を有した歯科インプラント開発を長期的最終目標に据え,本申請課題では短期的目標として線維性軟組織のin-vitroでの組織再生のための系統的な分化・組織再生メカニズムの解明を目的とした.初年度は,「1.細胞分化と機械的伸縮ひずみの相関性の解明」および「2.パターニング培養による細胞のたんぱく質発現の制御」を掲げ研究を行ったが,次年度に一部内容を継続することとした.そして当該最終年度は,「3.パターニング培養による高次構造を有する組織再生の試み」と「4.三次元培養による上記技術の高度化」を具体的な目標に掲げ研究を行った. 1,2の研究を継続する中,間葉系幹細胞の分化機構を非一様ひずみ場を用いて定量的に解明する独自のシステムの開発に成功した.その結果,機械的伸縮刺激を用いた間葉系幹細胞の分化制御の研究においてその最適ひずみ量はこれまで不明であったが,タンパク質発現の観点からその最適値が8.0%であることを初めて明らかにした. 3,4の研究として,可分離接触共培養と命名する独自の共培養系を開発した.この共培養系は,これまで直接共培養系で不可能であった,各細胞群が発現するmRNAおよびタンパク質を個別に定量評価することを実現する.さらに,これまでにない細胞間の接触が可能となり,新たな細胞間シグナル伝達を期待することができる.結果として,提案どおり共培養の各細胞群のmRNAおよびタンパク質発現を個別に定量評価することを可能とした.さらには,これまでの共培養系に比べて,間葉系幹細胞の分化が促進されることが判明し,可分離接触共培養系が分化・組織化促進の新たな手法として有効であることを示した. 以上,申請段階で4つの具体的な目標を掲げ,研究を推進してきた.そして,それぞれの項目において重要かつ新規性の高い結果が得られ,最終目標実現のための本申請課題の責務を果たしたと考えられる.
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Research Products
(17 results)