2013 Fiscal Year Annual Research Report
PEG脂質と外部刺激を利用した新規細胞膜表面修飾法の開発
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24650262
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
樋口 ゆり子 京都大学, 健康長寿社会の総合医療開発ユニット, 講師 (40402797)
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Keywords | 幹細胞 / PEG脂質 / 細胞膜表面修飾 / 超音波 |
Research Abstract |
初年度作成したPEG鎖長が2000、5000、10000のPEG脂質の先端にFluoresceinを結合させた、Fluorescein -PEG脂質で間葉系幹細胞の表面を修飾し、予めディッシュ上に培養した血管内皮細胞へ添加し、接着する間葉系幹細胞の数を評価した。その結果、修飾量の増大に伴い、またPEG鎖の分子量の増大に伴い、血管内皮細胞との接着数が減少した。さらに、より血管内に近い状況で細胞間接着を評価することを目的に、流路の底部に血管内皮細胞を培養後、一定の流速で、PEG脂質で表面を修飾された間葉系幹細胞を含む培地を流路に流し、顕微鏡でリアルタイムイメージングして得られたデータに基づき、間葉系幹細胞の流速の変化を算出する方法を確立した。PEG鎖の分子量が10000のPEG脂質で表面を修飾した間葉系幹細胞と、未修飾の間葉系幹細胞の移動速度を比較すると、PEG脂質で表面を修飾された間葉系幹細胞の方が移動速度が速かった。そこで、より分子量の小さなPEGすなわちエチレングリコールの繰り返しが、2, 6, 12, 24 (45の場合分子量約2000に相当)のPEG脂質を合成し、それらで表面を修飾した間葉系幹細胞と血管内皮細胞との結合を評価した。その結果、分子量が大きいほど、また修飾量が多いほど接着する細胞数が減少した。さらに繰り返しが2の場合は、修飾量が増大しても接着する細胞数はほとんど変化しなかった。さらに、接着分子ICAM1に認識されるペプチドを、繰り返しが2のPEG鎖を介して脂質に結合させたペプチドPEG脂質で表面を修飾した間葉系幹細胞と血管内皮細胞の接着を評価したところ、静置状態での評価および流れ場における評価を行ったところ、ランダム配列のペプチドで修飾した場合と比較して、血管内皮細胞との接着数が増加および移動速度の低下が認められた。以上、PEG脂質を介して細胞表面にリガンドを修飾する方法を確立し、さらに本法により標的細胞との接着を制御できた。
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Research Products
(4 results)