2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24650263
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村上 達也 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 助教 (90410737)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ナノバイオテクノロジー |
Research Abstract |
本申請課題では、生体内に存在し、リン脂質と脂質結合蛋白質(apoA-I)からなる直径10nmのディスク状ナノ粒子、高比重リポ蛋白質(High-Density Lipoprotein, HDL)をベースとして、生体適合性高分子ポリエチレングリコール(PEG)を含まない、真に生体適合性の遺伝子キャリアを開発することを目指している。 生体内には、肝実質細胞などHDL受容体を発現する正常細胞が存在する。望みの部位にHDLを集積させるためには、HDLのHDL受容体への親和性を弱める必要がある。HDL受容体によるHDL認識は、主にapoA-Iに依存している。H24年度は、計9種類のapoA-I欠損変異体の遺伝子を構築し、大腸菌発現の有無、HDL形成の有無を調べた。この結果、8種類の欠損変異体を精製取得することに成功し、それらはすべてHDLを形成することを確認した。 次に、HDL受容体高発現細胞(CHO-SRBI)への結合活性を指標とした一次スクリーニングの条件検討を行った。全長apoA-Iを含むHDLを蛍光ラベルし、それがCHO-SRBIへ結合すること、さらにその結合量は、未蛍光ラベルHDLを共存させると、濃度依存的に低下することをフローサイトメーターで確認した。さらに検出感度を向上させるため、CHO-SRBIの培養条件の最適化を行い、トリプシンを含まない細胞剥離液を用いて継代すること、播種して2日以上培養した細胞を使用すること、を見いだした。 最適化した条件で各apoA-I欠損変異体を含むHDLを評価したところ、C末端のapoA-Iを含むHDLが野生型HDL以上のCHO-SRBI結合活性を示し、逆にC末端を含まないHDLではその結合活性が低下することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全てではないが設計したapoA-I欠損変異体は大腸菌で発現し、高純度で精製取得されている。また意図したとおり、apoA-Iの部分欠損により得られるHDLが野生型HDLとは異なるCHO-SRBI結合活性を示すことも見いだされた。しかし亜鉛フタロシアニン内包による各種HDLのサイズ制御にまでは至っておらず、交付申請書に記載した「研究の目的」の達成度から判断すれば、やや遅れている。これはCHO-SRBIを用いる一次スクリーニングが予想以上に不安定であり、その条件の最適化に時間がかかってしまったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、各種apoA-I欠損変異体を含むHDLの一次スクリーニングを行い、HDL受容体結合に重要なapoA-I領域を見いだすと共に、亜鉛フタロシアニン内包により様々なサイズのHDLを作製し、同スクリーニングに供する。最もHDL受容体活性の高い、あるいは低いHDLを見いだし、マウス血中滞留性を評価する。 さらにコレステロール修飾したsiRNAを見いだされたHDL変異体に内包させ、腫瘍移植マウスに投与する。腫瘍組織とHDL受容体が発現している肝臓との間で投与されたsiRNAの集積量を比較し、抗腫瘍効果を調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
申請書に記載したとおり、研究費は主に消耗品の購入に使用する。研究の進捗状況によっては、研究補助員を雇用し、研究の加速を図る。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Photodynamic and photothermal effects of semiconducting and metallic-enriched single-walled carbon nanotubes2012
Author(s)
Murakami, T., Nakatsuji, H., Inada, M., Matoba, Y., Umeyama, T., Tsujimoto, M., Isoda, S., Hashida, M., Imahori, H.
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Journal Title
Journal of the American Chemical Society
Volume: 134
Pages: 17862-17865
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Cration of pure nanodrugs and their anticancer properties2012
Author(s)
Kasai, H., Murakami, T., Ikuta, Y., Koseki, Y., Baba, K., Oikawa, H., Nakanishi, H., Okada, M., Shoji, M., Ueda, M., Imahori, H., Hashida, M
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Journal Title
Angewandte Chemie International Edition
Volume: 51
Pages: 10315-10318
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Utilization of photoinduced charge-separated state of donor-acceptor-linked molecules for regulation of cell membrane potential and ion transport2012
Author(s)
Numata, T., Murakami, T., Kawashima, F., Morone, N., Heuser, J. E., Takano, Y., Ohkubo, K., Fukuzumi, S., Mori, Y., Imahori, H.
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Journal Title
Journal of the American Chemical Society
Volume: 134
Pages: 6092-6095
DOI
Peer Reviewed
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