2012 Fiscal Year Research-status Report
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24650286
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小玉 哲也 東北大学, 医工学研究科, 教授 (40271986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 栄夫 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20302218)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リンパ節 / 転移 / ネットワーク |
Research Abstract |
【目的】本研究は転移に関わるリンパネットワーク機能の実験的・理論的解明を目的にしており、当該年度ではヒトのリンパ節と同等の大きさを有するリンパ節腫脹マウスMXH10-Mo/lpr/lprを使用して, X 線CT, 蛍光実体顕微鏡, 小動物用高周波超音波システムから3 次元的なリンパネットワークの構造を明らかにすることを目的にした。 【研究成果の内容】(1)MXH10-Mo/lpr/lprのリンパネットワークを調べるために、解剖学的にリンパ節の位置と数を調べ、全身において22個のリンパ節を同定した。つぎに表在性リンパ節として、4つの転移ルートを同定した。この4つのルートの中で、脹骨下リンパ節から腋窩リンパ節に向かうリンパ管が、可視化、アクセスに優れていることを示した。(2)脹骨下リンパ節から腋窩リンパ節に向かうリンパ管が、実際に転移誘導に関与していることを示すために、脹骨リンパ節に腫瘍細胞を生着させ、腋窩リンパ節に転移することを、X 線CT, 蛍光実体顕微鏡, 小動物用高周波超音波システムで確認した。転移誘導率は、脹骨下リンパ節の大きさ、接種に必要な細胞数、接種する速度に依存することを明らかにした。転移にともなって腋窩リンパ節では腫瘍新生血管が増殖するが、この増殖率は腋窩リンパ節の体積増加よりも顕著であった。 【意義・重要性】本研究成果は、これは不可能であったマウスを用いたリンパ節転移の実時間観察を可能にし、リンパ節の転移の早期診断・治療法の開発を示唆するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者ならびに共同研究者との連携が十分におこなわれ, かつ, 実験計画を無理なく終えることができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
【目的】昨年度に同定した脹骨下リンパ節から腋窩リンパ節に向かうリンパ管を介した細胞転移能の評価をおこなった。今後は以下の実験をおこなう。 【実験内容】 (1)脹骨下リンパ節に蛍光色素を注射し、蛍光色素の流動ダイナミックスの解明をおこなう。また、腫瘍細胞を脹骨下リンパ節に生着させリンパ節内の細胞動態の観察を実施する。動態観察には、蛍光実体顕微鏡、生体発光イメージング装置を使用する。 (2)腫瘍生着後のリンパ節内の血管像は高周波超音波イメージング装置、ならびにマイクロCTで評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現有装置である生体発光イメージング装置では、実時間の観察を単位で観察することはできない。本年度は、共用設備購入として、実時間観測可能な生体発光イメージング装置を購入する。残額の予算は、研究に関わる物品費、旅費、人件費・謝金、その他の経費として計上する。
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