2013 Fiscal Year Annual Research Report
医用画像誘導下手術支援ロボットのための新しいアクチュエータ
Project/Area Number |
24650290
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
正宗 賢 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (00280933)
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Keywords | アクチュエータ / 非磁性 / MRI / 制動機構 / ペルチェ素子 / 機械要素 |
Research Abstract |
豊富な情報を有するMRIの撮像環境下で駆動する治療用メカトロニクス機器が注目されている。これはMRIの画像情報を定量的に扱うことによる安全・迅速な治療実現が期待されるからであるが、その最適化には高精度ロボット技術による機械システム開発が不可欠である。強磁場環境下であるため、従来にない非磁性アクチュエータが必要であるが、本研究ではこれまでに無い非磁性アクチュエータとして、駆動機能と制動機能を兼ね備えた小型アクチュエータの原理の提案および試作評価を行う。 初年度は空圧駆動機構と冷凍固定機構を組み合わせたアクチュエータの設計を行いプロトタイプを開発したが、本年度は基本性能の評価および改良を行い、新しいアクチュエータの持つメリット・デメリットおよび改良点を明らかにした。 回転機構については、3つのギアを空気圧でロータギアを順に押し出す機構の改良を行い、制動機構と直結した。冷却制動機構の評価では、ペルチェ素子に加える電圧を一定空気圧下で測定したが、吸熱側1.5V,放熱側3.0Vの時に最低温度 -10.2±0.5℃の冷却結果が得られ、制動に十分な状態を作成できた。また、制動トルクの評価では、内部に組み入れた水分量を上記状態にて変化させ、最大54.05±2.69N・mmの結果が得られ、高い制動力を有する結果となった。制動応答性については完全に停止するまでに約200sかかり即応性は得られなかった。応答性を高めるため窒素ガスの導入も検討したが、液漏れの可能性や組み込み開発の問題がある。その一方でダンパとしての利用可能性もあり、今後検討を行う。また、本研究で想定した位置決め機構のためのアクチュエータとしては即応性は求めておらず、使用目的により有効であると考えられる。 本研究では、精確な位置決めと強固な固定を兼ね備えた非磁性アクチュエータを実現した。今後は使用に沿ったアクチュエータの性能向上を図る.
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