2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24650292
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
和田森 直 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (60303179)
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Keywords | 光音響分光法 / 医用内視鏡 / 深部診断 / ニオイ診断 / 癌 |
Research Abstract |
内視鏡は、現在、通常観察による存在確認だけでなく、超音波技術による深達度診断や拡大観察、自家蛍光観察などによる質的診断まで可能となり、低侵襲医療には欠かせない機器となっている。このように医療用内視鏡の多機能、高機能化が進められる一方、患者の負担を軽減するために内視鏡自体の細径化が進められている。しかし、両者は背反な関係にあるといえ、上記の精密検査を行うためには、複数の内視鏡や専用のプローブを出し入れする必要があるため、検査時間が掛かる場合は少なからず患者の負担となる。 我々は、微量化学分析法として一般的な光音響分光法を用いて非侵襲生体計測に関する研究を行ってきた。光音響分光法は、試料の光吸収に伴う音響波を捉えるため、試料の化学的情報のみならず、物理的、熱的情報が得られる特長を有する。これに加えて、音響波を集音する音響管の容積は感度に反比例することから、装置の小型化により感度の向上が期待される。音響波を検出する音響管などをPAセルと呼び、内視鏡の多機能化と細径化を同時に実現するために、内視鏡に搭載可能な寸法(実効寸法;直径約6mm,長さ約4mm)のPAセルを試作した。この試作器を用いて、34-528kPaのヤング率が異なる生体ファントムを対象として、光変調周波数を100-10kHzまで変更させながら光音響信号を測定した。その結果、ヤング率と光変調周波数とに関係して、光音響信号が変化することを確認した。また、0-5mmの上層の厚さが異なる二層生体ファントムを対象として、光変調周波数を100~10kHzまで変更させながら光音響信号を測定した。その結果、深さと光変調周波数とに関係して、光音響信号が変化することを確認した。 さらに、気体測定用のアダプタを試作し、周波数応答特性などの基本特性について評価を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
気体の測定機構の検討に時間を要したため
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Strategy for Future Research Activity |
ヤング率と光変調周波数”および“深さと光変調周波数”とに関係して、光音響信号が変化することを確認した。両者の光変調周波数に対する光音響信号からヤング率と深さに関する指標を抽出する手法を確立する。また、試作した気体測定用のアダプタを用いて、様々なニオイに対するPAスペクトルを測定し、ニューラルネットワークにより、ニオイの原因物質を識別する。さらにニューラルネットワークの学習アルゴリズムに改良を加え、感度などの評価実験を踏まえて、嗅覚センサの検出感度はpptレベルを目指す。
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Research Products
(2 results)