2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24650292
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
和田森 直 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60303179)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光音響分光法 / 医用内視鏡 / ニオイ分析 / 硬さ分析 / 深さ分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
内視鏡は、現在、通常観察による存在確認だけでなく、超音波技術による深達度診断や拡大観察、自家蛍光観察などによる質的診断まで可能となり、低侵襲医療には欠かせない機器となっている。このように医療用内視鏡の多機能、高機能化が進められる一方、患者の負担を軽減するために内視鏡自体の細径化が進められている。しかし、両者は背反な関係にあるといえ、上記の精密検査を行うためには、複数の内視鏡や専用のプローブを出し入れする必要があるため、検査時間が掛かる場合は少なからず患者の負担となる。 我々は、微量化学分析方として一般的な光音響分光法( Photoacoustic spectroscopy; PAS )を用いて非侵襲生体計測に関する研究を行ってきた。PASは、試料の光吸収に伴う音響波を捉えるため、試料の化学的情報のみならず、物理的、熱的情報が得られる特長を有する。これに加えて、音響波を集音する音響管の容積は感度に反比例することから、装置の小型化により感度の向上が期待される。音響波を検出する音響管などをPAセルと呼び、内視鏡の多機能化と細径化を同時に実現するために、内視鏡に搭載可能な寸法(実効寸法;直径約6mm,長さ約4mm)のPAセルを試作した。二層生体モデルに対するPA信号の変化から、光変調周波数と測定可能深さとの関係について調査した結果から、試作したPAセルの測定可能深さは、胃壁の厚さと同じ5.0mmに達し、粘膜下腫瘍が発生する範囲における深さ方向分解能は±0.25mm程度であったことから、粘膜下腫瘍のPASによる内視鏡的診断の可能性を示した。PA式嗅覚センサの測定精度の定量化や装置の校正などを行うためには、ガス濃度を正確に制御する混合ガス制御部を追加し、各種気体濃度に対するPA信号強度を測定し、検出下限値を算出することにより、評価を行う。
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Research Products
(3 results)