2012 Fiscal Year Research-status Report
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24650296
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
植木 賢 鳥取大学, 医学部附属病院, 准教授 (60542256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 一剛 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (10324998)
李 仕剛 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50252630)
八島 一夫 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (80314590)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 次世代内視鏡 |
Research Abstract |
(研究の全体構想)本研究では、がんの見逃しを防ぐ広く見える魚眼レンズユニットと、腸に穴があくことを防ぐ触覚センサーをつけた安全な次世代内視鏡を開発する。 (平成24年度の計画)(A) 試作モデル(ハード)の作製 1)広く見える内視鏡(上原、植木)共同研究契約を結んでいる富士フイルム株式会社より、内視鏡部品の提供(および技術的アドバイス)を受け、魚眼レンズユニットの小型化を検討した。反射鏡と、提供される小型レンズやCCDを組み合わせて、広い視野をもつ魚眼レンズユニットを試作した。また、大腸の内部を照らすため、大腸に見立てた筒型模型において、照明の最適な配置を検討した。2個のカメラと1個のお椀型鏡を組み合わせた全天周レンズの有用性が示された。次年度に向けて、初年度に作製したモデルは、さらに小型化と製品化に向けての要素開発につながり、具体的な課題点を見つけることができた。 2)指のような触覚をもつ内視鏡(植木、上原、八島、佐々木)内視鏡の先端にシリコンゴムを被せて土台にし、内視鏡に着脱できるドーナツ型触覚センサーを開発した。本センサーは、内視鏡に対して12時、3時、6時、9時の4方向(8~16方向も可能)に加わる圧力を独立して検出できるため、どの方向から内視鏡に圧力が加わっているかを判断できた。それぞれの部位で、腸に穴があくとされる3kg/cm2の圧力を検出できるかを明らかにするための試作品が完成した。次年度は、圧力情報をグラフ表示から内視鏡の画像の外周に合成させるソフトの開発を行う予定であり、その前段階としてハードの作製に成功した。(B) 画像デジタル合成(ソフト)方法の開発1)広く見える内視鏡(李)工学研究科 李教授により、先端の魚眼レンズから得られる前方画像と、手前の魚眼レンズから得られる反射鏡の画像を合成して、画像の歪みをデジタル処理により補正する方法を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(平成24年度の計画)(A) 試作モデル(ハード)の作製 1)広く見える内視鏡(上原、植木)では、当初の計画通り、共同研究契約を結んでいる富士フイルム株式会社より、内視鏡部品の提供(および技術的アドバイス)を受けることができた。内視鏡用の撮像素子の分析を行い、全天周内視鏡における撮像素子の形状と配置を詳細に検討することができた。また、具体的な課題点として、内視鏡自体を全天周化する開発方法と、着脱型にする方法の利点と欠点を見つけることができた。今後はそれぞれの方法で検討を進めていく方針となった。 2)指のような触覚をもつ内視鏡(植木、上原、八島、佐々木)内視鏡では、平成23年度までのモデルに比べ、実物の内視鏡に装着できる形式の着脱型キャップセンサーを開発することができた。センサーの作動を確認できたが、内視鏡の径とキャップの適合により、圧力センサーの値の信頼性が変わり、対策を検討することができた。次年度は、圧力情報をグラフ表示から内視鏡の画像の外周に合成させるソフトの開発を行う予定であり、内視鏡に実装した状態での検討を可能にした。(B) 画像デジタル合成(ソフト)方法については、お椀型の鏡の形状によりソフトの解析演算方法が異なり、まずはハードの形態を検討することが重要であった。すでに、放物線と双曲線の鏡であれば、画像の歪みを補正できるソフトを開発できており、放物線状の鏡を作製でき、量産化できる技術をもつ会社を探したところ、それらを設計試作できる会社が見つかり、共同研究を開始することができた。実際に試作と実験を行うと、必要とされる具体的な技術について考察でき、その技術力をもつ会社に連絡して連携することができたため、次年度に向けて研究を推進する体制を整えることができた。したがって、研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
(平成24年度の計画)(A) 試作モデル(ハード)の作製 1)広く見える内視鏡(上原、植木)では、当初の計画通り進めることができたので、初年度の成果をもとに、さらなる小型化をすすめていく。具体的には、内視鏡自体を全天周化する開発方法と、着脱型にする方法の利点と欠点をもとに、試作を行い、どちらの方針が実用的か検討する。また、実際に製品化した場合、どの程度の費用がかかるものかも検討していく。 2)指のような触覚をもつ内視鏡(植木、上原、八島、佐々木)内視鏡では、平成23年度までのモデルに比べ、実物の内視鏡に装着できる形式の着脱型キャップセンサーを開発することができたので、センサーを搭載した状態で実験を実施していく。まずは、シリコン大腸モデルで実施し、その後、ブタ大腸を用いて実施する予定である。また、圧力情報をグラフ表示から内視鏡の画像の外周に合成させるソフトの開発を行い、内視鏡に圧力センサーを搭載することの意義、効果を検討する。(B) お椀型の鏡の開発では、放物線と双曲線の鏡であれば、画像の歪みを補正できるソフトを開発できているので、放物線状の鏡を試作する。さらに小型カメラと組み合わせて、実用サイズの大きさで全天周レンズを作製する。実際に試作と実験を行うと、必要とされる具体的な技術について考察でき、その技術力をもつ会社に連絡して連携することができたため、次年度に向けて研究を推進する体制を整えることができた。したがって、研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(C) 動物実験による評価1)広く見える内視鏡(植木、上原、八島、岡本)シリコンモデルを使って全天周レンズの試験を行う。また、研究協力者である鳥取大学農学部獣医学科臨床獣医学 岡本芳晴教授の協力を得て、動物に全身麻酔を行い、試作した広く見える内視鏡の有効性について評価を行う。2)指のような触覚をもつ内視鏡(植木、上原、佐々木)内視鏡先端にドーナツ型触覚センサーをつける。触覚センサーをつけた状態でブタ切除大腸に押し当て、実際に穴があくときの閾値をもとに感度を調整する。また、内視鏡画面の外周に、触覚センサーから得られた情報を色表示するとともに、腸に穴があく危険域(3kg/cm2)に達すると警告音で知らせるシステムを開発する。
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