2013 Fiscal Year Annual Research Report
フルオラスケミストリーに基づく次世代バブル製剤の開発
Project/Area Number |
24650299
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
丸山 一雄 帝京大学, 薬学部, 教授 (30130040)
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Keywords | マイクロバブル / フルオラスケミストリー / 超音波 / セラノスティクス |
Research Abstract |
F-DPPCと2F-DPPCの合成を進め、合成法を確立した。CF3(CH2)5(CH2)6COOHを別途合成し、これをグリセロール骨格にエステル結合させてフッ素含有のホスファチジルコリンを得ようと試みが、電子求引性のフッ素が多く含まれているため、1位及び2位のエステル構造が大変不安定であった。そこで、フッ素の数を減らすことにした。すなわち、FCH2(CH2)16COOHを別途合成し、これをグリセロール骨格にエステル結合させてフッ素含有のホスファチジルコリンを合成したところ、収率51%で2F-DPPCを合成することに成功した。DSPCとDSPE-PEG2000-OMeの脂質組成を基本として、これらにF-DPPCまたは2F-DPPCの混合比を変化させてC3F8ガスまたはC4F10ガスでバブルリポソームとした場合、ガス保持時間が短いため、凍結乾燥化を検討した。9%スクロース溶液でリポソームを調製し、C3F8ガスでバブルリポソームとした。次に、液体窒素で凍結し、凍結乾燥器で凍結乾燥した。凍結乾燥製剤は、バイアル瓶内をC3F8ガスで充填しシールした。復水は、超純水を27G注射針とシリンジを用いて復水した。復水後の評価について、凍結乾燥化することでガス封入量は減少する傾向にあるが、大きな差ではなかった。復水後の凍結乾燥バブルリポソームの粒子径は凍結乾燥前のバブルリポソームとほとんど差が無く、超音波造影効果も同様に変化が無かった。キャビ-テーション効果をColon-26細胞に対するpCMV-Lucの遺伝子導入効果で比較検討したが、同様のルシフェラーゼ活性が得られたことから、キャビテーション効果にも差が無かった。以上より、バブルリポソームの特性を損なうこと無く凍結乾燥化に成功した。
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