2013 Fiscal Year Annual Research Report
電気刺激による筋力維持・廃用防止と膀胱機能改善効果の確立:リハ物理療法の新展開
Project/Area Number |
24650306
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上月 正博 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70234698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 修 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00361072)
三浦 美佐 筑波技術大学, 保健科学部, 准教授 (30612014)
長坂 誠 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (70375062)
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Keywords | 膀胱尿道カテーテル長期留置者 / 腹部微弱電気刺激 / 筋力維持・廃用防止 / 虚弱高齢者 / 活動制限 / 感染症罹患率 |
Research Abstract |
膀胱尿道カテーテル長期留置者は、感染予防と事故抜去防止の観点から、一日中活動に制限を受けるとともに、介護量が多く感染症罹患率や死亡率が高い。また、カテーテル留置のための活動制限や、感染症などの合併症により廃用状態に陥る者も少なくなく、大きな社会問題となっている。そこで今回われわれは、介護度3以上で2週間以上膀胱尿道カテーテル留置された介護老人保健施設入所中の長期臥床患者(平均年齢83±3.1歳、要介護3~5、FIM43±0.3)に対して、腹部に対する電気刺激療法を施行した。電気刺激箇所は、腹直筋、腹斜筋とした。刺激周波数は30Hzで、1日30分間、週5日間・8週間施行した。刺激強度は患者本人が耐えられる最大強度とした。電気刺激の効果を判定するため、スパイロメトリーを用いて肺活量(VC)、1秒量(FEV1)、吸気終末圧(MIP),呼気終末圧(MEP),最大呼気流気量(PEFR)の測定を行い、呼吸器能に合わせて間接的に腹筋筋力を評価した。さらに日常生活動作の評価目的でFIMを測定した。その結果、対照群では低下がみられたが、電気刺激療法実施群では、VC、FEV、MEPは改善し、感染症や死亡による脱落もなく安全に実施できた。しかし、MIP、FIMは電気刺激群で介入前後で維持できたが、対照群では低下していた。 したがって膀胱尿道カテーテル長期留置者に対する腹部電気刺激療法は、呼吸器機能体幹筋力向上に有効である可能性が示唆された。このデータは、平成25年の国際リハビリテーション学会などで成果発表した。
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Research Products
(13 results)