2012 Fiscal Year Research-status Report
高磁場MRIによる心臓リハビリテーションの心機能改善効果の非侵襲的定量評価法
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24650307
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
千田 浩一 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20323123)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リハビリテーション / MRI / 医療・福祉 |
Research Abstract |
当研究は高磁場MRIによる心臓リハビリ患者の心機能等の正確な非侵襲的定量評価法を、先駆けて開発する事を目指す。MRI 検査において、撮像中に人体の温度が局所的に上昇することがある。その原因は、ラジオ波(Radio Frequency:RF)により人体に吸収されて熱となる、比吸収率(Specific Absorption Rate: SAR)の影響である。このSAR規制は、従来のMRI装置では問題にならなかったが、高磁場MR装置は、RFパルスの周波数も倍増するため、温度上昇が重要な問題となっている。 そこで本年度は、高磁場MRI装置におけるSARに伴う温度上昇の計測システム開発に関する基礎的検討を行った。 SARによる温度上昇を計測するシステムを独自に開発するため、非磁性体プローブを種々検討し、リアルタイムに温度計測が可能なMRI検査中の温度計測システムの構築を試みた。その結果、非磁性体プローブのセンサーとして、熱電対を用いることで、MRI検査中の温度計測が可能であることが分かった。非磁性体プローブは、熱電対センサーおよび長尺の非磁性体ケーブルからなり、その信号を、MRI検査室外にてリアルタイムモニターするシステムを構築した。予備実験の結果、試作した「非磁性体プローブを用いたリアルタイム温度計測システム」は、MR撮像中における高磁場MRI装置ガントリー内における温度測定が十分可能であることが確かめられた。さらに、当リアルタイム温度計測システムの非磁性体プローブは、高磁場MRI装置におけるMR画像に悪影響をほとんど与えないことが示唆された。さらにこの結果を踏まえて、ファントム実験などの次の実験ステップへ移行するために、熱電対センサー部分等を、絶縁コーティングするなどの改良を行った。 [研究協力者] 東北大学臨地講師 永坂竜男主任技師(東北大学病院MRI室主任,MRI専門認定技師)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大震災後における、様々な対応等の影響によって達成度はやや遅れている(特に原発事故起因した放射線影響等に関する対応について予想以上に時間を費やしたため)。
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Strategy for Future Research Activity |
試作した「非磁性体プローブリアルタイム温度計測システム」を用いて、各種のMR撮像シーケンスにおける温度計測を行うなど、基礎実験をさらに推進する所存である。また、高磁場MRI室における運動負荷の基礎検討を行う。つまり心臓疾患の評価に重要な運動負荷に関して、高磁場MR装置内においても使用できる運動負荷試験装置の開発の可能性について基礎的な検討を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「該当なし」
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