2013 Fiscal Year Annual Research Report
末梢神経損傷に対する肝細胞増殖因子投与およびストレッチングの併用効果の検証
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24650309
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田中 正二 金沢大学, 保健学系, 助教 (70422657)
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Keywords | リハビリテーション / 脱神経筋 / ストレッチ |
Research Abstract |
何らかの外傷や絞扼により末梢神経損傷を来たした場合、その支配筋は神経支配を失い変性・萎縮する。骨格筋の機能不全は日常生活に障害をもたらすため、特に再神経支配が望める場合は変性や萎縮を予防する必要がある。脱神経筋に対するリハビリテーションとして、電気刺激や伸張運動が行われているが、その詳細な方法は確立していない。そこで、実験動物を用いて、右坐骨神経を切断することによって右足底筋を脱神経筋として骨格筋の線維化および萎縮因子を指標に伸張運動の効果を検討した。脱神経7日後に足底筋筋湿重量は著しく減少した。また、線維化に関与するtransforming growth factor-beta 1、α-smooth muscle actin、collagen、筋量をコントロールするmyostatin、筋特異的ユビキチンキナーゼであるMuscle RING-Finger Protein-1 (MuRF1)、atrogin-1 mRNA発現量は脱神経後早期に増加した。さらに脱神経筋に対して1分間に12回、3回、0.5回の他動的伸張運動を一日に20分間加えた。その結果、それら因子は伸張運動回数が減少するほど伸張運動を加えない群よりも増加した。これらの結果は、ゆっくりとした伸張運動は骨格筋の線維化および萎縮を助長することを示しているのかもしれない。しかし、伸張運動は運動速度、伸張時間、伸張トルク、時間など多く要因が関与するため、今後さらに詳細な検討が必要である。
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