2012 Fiscal Year Research-status Report
無拘束・無意識下での嚥下筋活動と排痰行為の客観的評価方法の開発と有用性の検討
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24650318
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
岩村 健司 高知大学, 医学部附属病院, 言語聴覚士 (20626296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 健司 高知大学, 教育研究部医療学系, 准教授 (10274367)
兵頭 政光 高知大学, 教育研究部医療学系, 教授 (00181123)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 嚥下障害 / 表面筋電 / 不顕性誤嚥 |
Research Abstract |
【目的】本研究は、携帯性、簡便性に優れた咽喉マイクと24時間型積分筋電計を組み合わせ、日常的に発生する嚥下筋運動、咳、むせ、排痰行為などの気道防御機構を無意識下、無拘束にて客観的に測定する方法を開発し、その有用性を検討するものである。【連携協力者】企業化支援センター内布師田開発センター (有)恵比寿電機 池龍美 溝渕宣誠 【研究成果】 今回作成した本装置の最大の特徴は、携帯性、簡便性に優れた装置であるということである。ICレコーダに積分筋電計を接続し、直接データを記録する工夫を行うことで、開始スイッチは一つとなり、データの同期化を可能とした。身体に装着する機器は咽喉マイク、ICレコーダ、携帯型積分筋電計のみとなり携帯性に優れた装置の開発に成功したといえる。また、舌圧と顎舌骨筋の相関係数を測定したところ、相関係数は0.85、危険率はp<0.0001と高かった。このことから舌圧が嚥下筋運動の指標になりうることを示したことで精度の高い測定を可能とした。 しかし、本研究で得られるデータは、日常的な能力を測定することを目的としているため、長時間にわたるものが多く、それらデータを個別に分析していては、時間を要するなど煩雑になりやすいことが予測された。そこで、本研究の最大の特徴としている簡便性の充実を図るため、長時間で得られたデータである嚥下音、積分筋電データを1画面上に示し、円滑で見やすい分析を可能とする解析ソフトを開発することとし、現在開発中の状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で得られるデータは、日常的な能力を測定することを目的としているため、長時間にわたるものが多く、それらデータを個別に分析していては、時間を要するなど煩雑になりやすいことが予測された。 そこで、円滑で見やすい分析を可能とする解析ソフトの作成を行っていたが、メモリなどの画面上に必要な情報が少なく利便性に乏しかったことや日常的にいつ現れるか分からない嚥下音や嚥下筋運動を検索するためのシステムがなかったことなど、解析ソフトのシステム部分に関する修正と工夫が必要と判断された。そのため、より充実したシステムを構築するため、システム部分を改良し、様々な機能を追加するなど試行錯誤した結果、若干の遅延が認められたが、機器の作成は進んでおり、その遅れは十分に取り戻せるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
ソフト開発を進め、本装置の作成を完了させ、①嚥下音、咳、排痰行為の音声分析を行い音響的特徴を抽出する。②実際に装置を装着し、ユーザー調査を行い、本装置の有用性や問題点を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本装置の有用性を検討するユーザー調査を行うため、それら①協力者への謝金、②ユーザー調査において、問題点などが指摘された場合、それらを修正するための機器調整費、③本装置の有効性について、発表や論文投稿など、成果発表旅費に使用する。
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