2013 Fiscal Year Annual Research Report
脳機能再生のための脳由来神経栄養因子産生を促進する運動負荷方法の探索
Project/Area Number |
24650322
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
金子 文成 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (00344200)
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Keywords | リハビリテーション / 電気刺激 / 神経科学 / 神経栄養因子 / 運動 |
Research Abstract |
脳由来神経栄養因子(BDNF)は,神経細胞の発生や成長,維持,修復に働き,学習や記憶,さらには糖代謝などにおいても重要な働きをする。当該研究においては,BDNFを,より効率的に産生させるための負荷方法を探索することを目的として,神経筋電気刺激を使用した実験を行なった。 助成期間中を通じて,健康な若年成人を対象とした。 実験1では,運動負荷方法を中心とした実験条件に関する検討を行った。被験者は,安楽な椅子に坐位となり,大腿四頭筋の適切な部位に神経筋電気刺激装置の電極を貼付した。また,膝関節運動の角度を経時的に計測するために,電気角度計を大腿部および下腿部に装着した。本研究の主要な目的である随意的運動を実施した場合と,同様の運動負荷強度で筋収縮のみを実施した場合との2種類の課題を実施するための様々な環境設定を試み,予備的実験を反復した。神経筋電気刺激中に,筋出力を増加させるために,等尺性最大随意筋力(MVC)に対して相対的な値で,どの程度の運動負荷が可能かを検討した結果,MVCの10%程度が負荷を与えることが可能であることがわかった。さらに,関節運動範囲の検討をした結果から,膝関節屈曲100度から30度程度の範囲で,運動可能であった。これらの条件下で,神経筋電気刺激を実施した場合に,全身運動強度としては2METs程度の運動となることが示された。また,その前後で血中乳酸濃度の計測を行い,神経筋電気刺激により上昇することが明らかになった。これらの結果から,実験2で行なう本実験の条件を確定することができた。 実験2では,神経筋電気刺激,および随意筋収縮による等尺性運動前後,およびその最中の血清BDNF濃度およびその他の運動生理学的データを記録した。随意筋収縮の場合と神経筋電気刺激の場合とで,力積を揃えたとしても血清BDNF濃度が異なる可能性が示された。
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Research Products
(2 results)