2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24650325
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
高木 都 奈良県立医科大学, 医学部, その他 (00033358)
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Keywords | in vivoイメージング / 腸壁内神経系 / セロトニン4受容体 / 神経再生・新生 / 2光子顕微鏡 / H-lineマウス |
Research Abstract |
本研究では、神経が光るトランスジェニックマウス(以下TGマウス)を使い、2光子励起顕微鏡による腸壁内神経のin vivo(生体内)イメージングに成功した。この手法を用いて損傷腸壁内神経の腸壁内神経の再生(新生)過程を明らかにし、神経再生・新生過程を制御・促進する因子(低分子化合物:5-HT4受容体刺激薬等)を特定し、腸壁内神経の再生が消化管機能・排便機能の改善効果をもたらすことを明らかにした。 この研究は、腸壁内神経障害によって起こる消化管機能・排便機能障害を根本的に治療する方法を開発する基礎研究で、これまでリハビリテーション分野ではほとんど着手されていない画期的な研究である。今回申請者は、2光子励起顕微鏡にという画期的なテクノロジーを用いて、これまでの摘出腸管の免疫染色では得ることのできない生きたままでのin vivo(非侵襲)腸壁内神経イメージングを成功させ、さらには5-HT4受容体刺激薬、クエン酸モサプリド(MOS)が腸壁内神経の再生・新生促進作用を有するということを生きたままの神経細胞の観察によって明らかにした。 具体的には、自然科学研究機構生理学研究所の鍋倉教室よりTGマウスの供与を受け、切離吻合モデルマウスを作成し、MOSを飲水投与しながら1-2週間飼育後、腸管のin vivoイメージングを行い、腸壁内神経の再生・新生過程を時系列的に追跡した。 さらに、神経活動に応じて強く光るTGマウスの腸管神経のin vivo カルシウムイメージングにも挑戦した。 様々なラインのマウスを用いて、腸壁内神経細胞が光るラインを探した。その結果、C57BL/6・Thy1-G6-2A-mCherryが、アウエルバッハ神経細胞は緑色蛍光を示し、マイスナー神経細胞は赤色蛍光を示した。しかし、様々な刺激をしても蛍光強度が高まるという反応は得られなかったので、今後の更なる検討が必要である。
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