2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24650328
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
今泉 敏 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (80122018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土師 知行 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (20145147)
中村 文 県立広島大学, 保健福祉学部, 助教 (10709629)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 摂食嚥下活動 / 先行期情報 / 認知活動 / 嚥下音 / 非侵襲的検査 / 摂食嚥下リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢などの要因で嚥下機能が低下すると、水などの飲料が咽喉頭部に侵入しても嚥下反射が適正に起こらず、飲料とともに口腔内雑菌が気管に侵入して肺炎の原因となる場合が多い。本研究では高齢者にも負担にならない非侵襲的方法で嚥下機能を検査する方法を開発し、若年者と高齢者の摂食嚥下機能を解析した。そのため、非侵襲性光電グロトグラフィを嚥下観測用に改良して、嚥下に伴う喉頭閉鎖のタイミングを計測する装置を開発した。また外耳道に小型のマイクを挿入して嚥下音を計測する方法を開発した。これらを活用して、飲食物を摂取する前の情報(先行期情報)が摂食嚥下運動にどのような効果を示すか解析した。具体的には、まず、健常若年群13名及び健常高齢群11名が3種類の事前情報条件下で3種類の飲料を飲む場合の「うまさ」などに関する風味評定値を解析した。飲料はりんごジュース,水,青汁で,事前音声は飲料名とした。事前情報は音声で与え,音声無,一致(音声と飲料が一致),不一致(事前音声と飲料が不一致)の3条件とした。その結果,年齢に関わらず,一致音声でうまさが最も上昇し,不一致音声で飲み込みやすさが最も低下した。まずさに音声の有意な効果はなかった。さらに健常若年群12名及び健常高齢群12名が実験1と同じ条件下で飲料を飲む場合の嚥下運動を解析した。その結果,年齢に関わらず,音声による事前情報があると咀嚼に関わる舌骨上筋群の活動が有意に上昇し,高齢群では不一致音声で喉頭挙上時間が有意に短縮した。音声による事前情報が嚥下運動に有意に影響することが確認できた。摂食嚥下リハビリテーションの現場で行われる事前の適切な声かけ、つまり先行期情報が摂食嚥下の安全性を高め食事をより美味にすることが実証できた。
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Research Products
(6 results)