2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24650330
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
道脇 幸博 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (40157540)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 嚥下 / 嚥下障害 / 嚥下運動 / 実形状モデル / 実運動モデル |
Research Abstract |
嚥下造影画像やcineMRIの画像からだけでは、舌や咽頭の動きを十分には解明できなかったので、まず実構造・運動モデルを制作して嚥下運動を再現することとした。 通常の頭頸部のCT(スライス厚さ0.625mm)を撮像し,得られたDICOMデータを立体構築ソフト(Mimics, マテリアライズ社製)にインポートした.Mimics上でCT値や画像の輝度値の閾値を指定,変更しながら,顎骨,頸椎,舌骨,舌,軟口蓋そして咽頭の空間などを描出した.これらのデータを, Mimics内で立体構築して,汎用形式の一つであるstl形式で出力した.元空間に貼り付けて,ガイドとして利用しながら,形態やポリゴンを修正した.舌運動では,健常被験者(25歳,男性)の嚥下動作を高速シネMRI(30fps,2.4秒間撮影)によって撮像した. 得られたcineMRIから70枚の静止画を切り出し,舌表面と口蓋および食塊をトレースした.その結果,舌は窪みで食塊を保持し,窪みを前方から後方へ移動させる波状運動によって,食塊を咽頭へ送り込んでいた. 舌骨と食塊の動作解析では,先のCTと同一ボランティアの嚥下造影画像の側面像と正面像を利用した.繰り返しの再現性は高いと考えられるので,側面と正面の画像を比較して同期させた. このVF画像と先に制作した非嚥下時の立体実形状モデルをCGソフト上で対比し,顎骨が一致するようにVF画像を移動・回転させた.CTとVFでは,撮像時の頸部の角度が異なるので,VFに合わせるように,実形状モデルの頸部の角度を変えた.このようにしてVFの嚥下開始前のフレームを制作し,これを立体実運動モデルの1コマ目とした.2コマ以降では、CGソフトの時刻とVF画像のフレームが同期するように設定し,VFをコマ送りしながら,立体モデル内の器官の位置や形態を順次合わせ込んで,制作した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
嚥下の舌運動の解析は終了し、ロボットでの動きも再現できている。咽頭に関しては、医用画像での可視化が困難であったので、医用データをもとにコンピュータ・グラフィックス上で咽頭の動作の再現を行っている。このデータをもとに、次年度は咽頭壁の動きの再現を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
課題は咽頭壁の形態と運動の再現である。形態については、CT画像から立体構築する作業を行っている。運動については、VFやcineMRIなどのデータに解剖学・生理学などのデータとの整合性を保つ運動様式を検討していく。これをまずCG上で再現し、それに基づいて、咽頭壁の構造と運動を実機であるロボットに移し込んでいく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
舌や咽頭、声門、披裂部などの形態と動きの解析とCG上での再現のためめのパーソナルコンピュータの購入、学会発表および研究指導と解析補助の謝金を予定している。
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