2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24650330
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
道脇 幸博 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (40157540)
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Keywords | 嚥下 / 食塊移送 / 嚥下シミュレーション / バイオメカニクス |
Research Abstract |
嚥下時の舌や軟口蓋、咽頭壁、舌骨、甲状軟骨、輪状軟骨、食道入口部の動きを再現した数値モデルを作った。 構造は、頭頸部CTデータからの骨と空間の自動描出とマニュアルでの舌や軟口蓋、咽頭壁の描出によって制作した。自動描出には立体構築ソフト(Mimics)、マニュアル描出には3Dモデリングソフト(3ds Max)を利用した。運動データでは、VFデータを主に利用した。構造データから制作した呼吸時のモデルをVF画像の各フレーム(30/秒)と合わせて、各コマの立体画像を制作し、数値解析用の基本画像した。嚥下運動の数値解析にはParticleworks 4.0をカスタマイズして用いた。解析結果をVFと比較して、医工学的意味での精度は確保されていることを確認した。 また筋と器官の動きの関連を見るために、CT画像から立体の筋構造モデルを制作した。頭頸部CTデータからの骨は自動描出、筋は解剖の知見を元にマニュアルで描出した。自動描出には立体構築ソフト(Mimics)、マニュアル描出には3Dモデリングソフト(3ds Max)を利用した。 その結果、嚥下咽頭期の関連器官の動きと筋の作用は以下のように考えられた。1)口腔期の後半から起こる舌骨上筋群によって1a)舌骨の上前方への牽引、1b)舌骨に起始がある中咽頭収縮筋の牽引、1c)甲状軟骨と輪状軟骨の上前方向への牽引、1d)甲状・輪状軟骨に起始がある下咽頭収縮筋の牽引が起こる。2)口蓋咽頭筋と茎突咽頭筋の作用によって咽頭壁の挙上(頭側への短縮)が起こる。3)1)+2)の状態で、3a)咽頭収縮筋が収縮して、咽頭壁を内側に寄せ、3b)喉頭蓋は回転して喉頭口を覆う。3)の間、舌骨は強大な舌骨挙上筋と閉口筋の働きで1)の位置を維持する。食塊の尾側が食道内に取り込まれると、各筋群は順に弛緩して呼吸状態に戻る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
嚥下時の舌・咽頭ロボットの制作のために、医用画像では明らかにできなかったこれらの器官の動きと筋の動きの関係を検討している。平成25年度の目標は嚥下関連器官の動きの再現であったが、現状では、器官の動きの再現とともに筋の立体モデルも制作できた。
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Strategy for Future Research Activity |
嚥下に関連する器官の動きを数値シミュレーションに再現するとともに、関連する筋の動きを明らかにして、筋活動と器官の運動の統合的関与を解明すること。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の使用予定があったため。 国際学会での研究成果の発表
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